プラスチック削減に取り組む企業事例を紹介|12の企業事例から学ぶ
近年では、社会的な環境配慮への意識が高まっており、プラスチック削減に取り組む企業が増加しています。企業はプラスチックの削減によって、環境保護に貢献できます。この記事では、企業がプラスチック削減に取り組むメリットを解説します。プラスチック削減に取り組んでいる企業事例も紹介するので、自社で活動を検討する際の参考にしてください。

プラスチックの削減が重要な理由
プラスチックの削減が重要になっている理由は、主に2つです。それぞれの理由について詳しく解説します。
循環型社会の実現のため
プラスチックの削減は、世界の循環型社会の実現につながる重要な取り組みです。プラスチック製品のなかには、再利用されるものもありますが、すべての製品の再利用は現状できません。循環型社会を実現するには、使用済み資源の再利用だけではなく、使用するプラスチック自体の削減が重要です。
地球環境に悪影響を及ぼすため
近年では、プラスチックが地球環境に悪影響を与える可能性が問題視されています。例えば、海洋プラスチック問題は、地球環境だけでなく、人体への影響も心配される重要な問題の1つです。廃棄後のプラスチックは、海洋に流れて分解が進み、マイクロプラスチックになります。
マイクロプラスチックは、汚染物質を吸収しながら海に広がり、生態系や人体に悪影響を及ぼします。
すべてのプラスチックを削減することは困難
プラスチックは、ほかの素材と比べて耐水性や耐久性に優れている素材です。企業の取り組みのなかには、ストローに使う素材を、プラスチックではなく紙にするものもありましたが、いくつか課題が見つかりました。紙で作った場合、ドリンクの水分によって形が変形したり、破けたりし長時間の使用には適さない、との消費者の声もあるようです。
また、プラスチック製だからこそ実現できる機能やデザインもあるため、すべての削減は難しいでしょう。代替できるものから素材を見直して、プラスチックの削減を進める必要があります。
プラスチック削減に企業が取り組む3つのメリット
プラスチック削減に企業が取り組むメリットは、以下の3つです。
・環境保護
・企業のイメージアップ
・ビジネスチャンスの増加
それぞれのメリットについて、以下で解説します。
1.環境保護
企業がプラスチック削減によって得られるメリットの1つは、環境保護への貢献です。プラスチック削減の取り組みとして、エコな素材を事業に取り入れれば、環境保護につながります。資源の枯渇や地球温暖化の防止にも役立ちます。
2.企業のイメージアップ
企業がプラスチック削減に取り組めば、自社のイメージアップが可能です。環境問題への消費者の関心は年々高まっており、環境に配慮した取り組みにも注目が集まっています。プラスチックの削減を進めて発信すれば、消費者からの信頼獲得につながるでしょう。
3.ビジネスチャンスの増加
プラスチックの削減は、ビジネスチャンスの増加も期待できる取り組みです。環境問題の改善に向けた取り組みを進めるなかで、新しいビジネスチャンスにつながる可能性があります。場合によっては、新しい取引先や事業の獲得にもつながるでしょう。
プラスチック削減による2つのデメリット
プラスチック削減によるデメリットは、以下の2つです。
・コストがかかる可能性がある
・利便性が低下する可能性がある
コストがかかる可能性がある
プラスチック削減のデメリットの1つは、従来よりもコストが増える可能性です。プラスチックの代替素材は、プラスチックよりも高価であったり、重量が重かったりするものもあります。素材の購入費や製品の製造費・輸送費が増える恐れがあり、コストが増加する場合があります。また、輸送の際に使う車両が増えれば、CO₂の排出に伴い環境負荷が大きくなる懸念もあり、注意が必要です。
利便性が低下する可能性がある
プラスチックを代替素材へ変更することにより、従来に比べて利便性が低下する可能性があります。プラスチックは、軽量かつ耐久性が高い素材です。プラスチックを紙で代替した場合、耐久性や機能性が低下したり、デザインに制限が生まれたりする恐れがあります。例えば、プラスチックのレジ袋を紙袋に変更した場合、入れたものの重量に耐えられず、破ける可能性があります。
プラスチック削減に取り組む企業事例
プラスチックの削減は、日本のさまざまな企業が実践している取り組みです。以下で、プラスチック削減の企業事例を紹介します。
企業事例1.日本コカ・コーラ株式会社
日本コカ・コーラ株式会社は、廃棄物ゼロ社会を目指しています。日本コカ・コーラ株式会社が行っているプラスチック削減の取り組みの1つが「ボトルtoボトル」です。「ボトルtoボトル」は、使用済みペットボトルを回収・リサイクルして、ペットボトルを再生し、容器として再利用する取り組みです。
企業事例2.スターバックスコーヒージャパン株式会社
スターバックスコーヒージャパン株式会社は、一部のドリンクを樹脂製グラスに入れて提供する取り組みをしています。使い捨てのプラスチックカップを、リユースできる樹脂製グラスに変更することで、使い捨てカップの使用量削減が可能です。同社では、アイスのドリンクを店内で飲む場合に、使い捨ての蓋を削減する取り組みも行っています。
企業事例3.ライオン株式会社
ライオン株式会社は、プラスチックの使用量を最小限に止めながら、すべての使用済みプラスチックの回収・再生を目指している企業です。プラスチックのリデュース、リユース、リサイクルを推進する取り組みをしています。例えば、製品パッケージの長期使用や、詰め替え品の利用拡大に力を入れています。
※参考:ライオングループ プラスチック環境宣言|各種方針|コーポレート・ガバナンス|企業情報 | ライオン株式会社
企業事例4.株式会社すかいらーくホールディングス
株式会社すかいらーくホールディングスも、プラスチック使用量の削減に取り組んでいる企業です。2018年から、化石燃料をもとに生まれたプラスチック製品の削減に取り組んでいます。使い捨てプラスチックを環境に優しい素材にしたり、プラスチック製ストローの使用を止めたりと、数々の環境配慮に向けた取り組みをしています。
※参考:脱プラスチック | 環境 | サステナビリティ | すかいらーくホールディングス
企業事例5.株式会社ユニクロ
株式会社ユニクロは、自社で取り扱う全商品のリサイクル、リユースを目標にしている企業です。自社のダウン商品を回収・リサイクルして、新しいアイテムに活用しています。また、店舗で回収した服を、被災地や難民キャンプに届ける衣料支援もリユースの取り組みの一部です。リユース不可能な服は、防音材や燃料へリサイクルしており、資源の活用に無駄がありません。
※参考:RE.UNIQLO:あなたのユニクロ、次に生かそう。 | 服のチカラを、社会のチカラに。 UNIQLO Sustainability
企業事例6.ネスレ
ネスレは、プラスチックから製造されたパッケージの100%リサイクルを目指している企業です。世界最大の飲料・食品メーカーとして、ネスレが事業を展開している地域の政府に対して、さまざまな支援をしています。また、パッケージの削減・改善、資源の収集・回収のためのシステム構築のサポートを、長期的な目標としています。ネスレパッケージング研究所という研究施設を設立して、ごみのない未来の実現に取り組んでいます。
※参考:プラスチックごみに対するネスレの取り組みについて | 企業情報 | ネスレ日本 企業サイト | Nestlé
企業事例7.株式会社ダスキン
株式会社ダスキンは、リデュース・リユース・リサイクルの3つに取り組んでいる企業です。容器包装プラスチックの環境負荷低減や資源有効活用に向けた取り組みに力を入れています。包装容器の厚みを薄くして、軽量化とプラスチック使用量の削減をしたり、化石燃料由来のプラスチックからバイオマスプラスチックをはじめとした持続可能な素材に変更したりしています。
※参考:また会えるかな? | 喜びのタネまき広場 | 株式会社ダスキン
企業事例8.カルビー株式会社
カルビー株式会社は、プラスチック使用量の削減と、環境に配慮した素材への転換を進めている企業です。化石燃料由来のプラスチックから、リサイクル素材やバイオマス素材などの環境負荷の少ない素材への切り替えを目指しています。すでにバイオマスインキやバイオマスPETなどのバイオマスプラスチックの利用に着手しています。
※参考:プラスティック容器代替・削減|サステナビリティ|カルビー
企業事例9.日本マクドナルド株式会社
日本マクドナルド株式会社は、商品や使用済み調味料・材料のリサイクルに力を入れている企業です。自社商品である「ハッピーセット」に付属のおもちゃの回収・リサイクルをしており、店舗で使用するトレイに活用しています。また食品リサイクルの取り組みとして、使用したフライオイルについて100%に近いリサイクルを実現しており、主に鶏の飼料として再利用しています。
企業事例10.イケア・ジャパン株式会社
イケア・ジャパン株式会社は、プラスチックを再生可能ベースのプラスチックもしくはリサイクルプラスチックのみにするという目標を掲げています。使い捨てプラスチック製品を、2020年に段階的に廃止しました。産業廃棄物のリサイクルや、家庭の廃棄物のリサイクルに向けた取り組みも実践しています。
※参考:2030年までにリサイクル可能プラスチックまたは再生可能ベースプラスチックのみにする|IKEA【公式】 - IKEA
企業事例11.株式会社セブン&アイ・ホールディングス
株式会社セブン&アイ・ホールディングスは、CO₂排出量の削減に力を入れている企業です。バイオマス素材を30%配合した環境配慮型カトラリーを導入しており、環境に配慮した
素材への転換を進めています。また、不要なカトラリーの配布を減らすために、店舗で顧客に声掛けをして、プラスチックの削減に取り組んでいます。
また株式会社ユポ・コーポレーションの「ユポグリーンシリーズ」が、コンビニエンスストアのセブン‒イレブンの店内販促物に、化石燃料由来のプラスチック使用量を削減できる素材として採用されました。
※参考:ユポグリーンシリーズがセブン‐イレブン店内販促物で採用
企業事例12.ユニリーバ・ジャパン株式会社
ユニリーバ・ジャパン株式会社は、プラスチックの使用量削減を進めています。自社のパートナーとともに、プラスチック使用量の削減に取り組んでおり、環境負荷を最小限にするためにさまざまな取り組みをしています。例えば、使用したパッケージの分別・回収・再生に必要な仕組みの構築、量り売り販売の実証実験などです。
まとめ
企業がプラスチック削減に取り組めば、循環型社会への貢献や企業イメージのアップが期待できます。取り組む際は、コスト増加や利便性の低下に注意して実践しましょう。
株式会社ユポ・コーポレーションは、合成紙「ユポ」の製造販売を行っています。高い機能性を備えながらも、環境負荷の少ない点が、合成紙「ユポ」の強みです。70%を超える国内シェア※と、50年以上の生産実績があります。
※合成紙市場における販売量(t)、(参考)矢野経済研究所「2022年版 特殊紙市場の展望と戦略」
ラベル用合成紙「ユポエアー」は、脱プラスチックが難しい場合でも、プラスチック削減に貢献できる素材です。プラスチック使用量とCO₂排出量の削減につながる「環境負荷削減に貢献できる素材」としておすすめします。環境に配慮した素材をお求めの際は、ぜひお問い合わせください。
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※「ユポ」「ユポグリーン」「ユポエアー」は、株式会社ユポ・コーポレーションの登録商標です。
この記事を書いた人株式会社ユポ・コーポレーション
地球と人を大切にしていきたい。
当社はこれからも環境保全や環境負荷の削減を使命として社会に貢献していきます。