クリーンペーパー(無塵紙)とは?活用方法や選び方のポイントを解説

クリーンペーパー(無塵紙)とは
クリーンペーパーは、無塵紙(むじんし)とも呼ばれる、機能性を持つ紙のひとつです。
繊維や顔料の脱落が少ないため、室内のほこりやゴミの量を決められた清浄度レベル以下に管理するクリーンルーム内で使用されます。
特徴について
クリーンペーパーは、発塵性の低い長繊維の木材パルプを使用し、発塵を抑えるために特殊樹脂で補強された紙です。
紙を破ったり揉んだりしても、繊維や顔料由来の粉塵が発生しにくい特徴を持ちます。
クリーンルーム内では、発塵の多い普通紙は使えないため、クリーンペーパーの使用が不可欠です。
普通紙との違いについて
普通紙とクリーンペーパーの違いを、以下の表で比較します。
普通紙 |
クリーンペーパー |
|
材質 |
短繊維の木材パルプ使用 |
長繊維の木材パルプ使用 |
着色料 |
炭酸カルシウムやチタンなどの顔料 |
液体染料 |
用途 |
コピー用紙やノートなどのあらゆる用途 |
クリーンルーム内のようにほこりや |
クリーンペーパーは、クリーン度を高く保つ場所での使用が目的のため、一般のメモ用紙やノートとは、大きな相違点があります。
普通紙に使われる短繊維の木材パルプは、繊維が脱落しやすいため、ほこりやゴミの原因となる可能性があります。
また、普通紙は紙を白く見せるために着色料として白色顔料が用いられますが、顔料由来の粉塵が発生しやすく、クリーンペーパーへの使用は不適切です
発塵性を極力抑えるために、クリーンペーパーには多くの工夫が施されています。
クリーンペーパーの活用方法と選び方のポイント
クリーンペーパーには、コピー用紙型やメモ帳型などさまざまな形態があります。
入手の際、指定のサイズや枚数がなければ、以下の点を比較して選びましょう。
- 発塵性の測定値
- 大きさや枚数
- 品質と価格のバランス
ここでは、クリーンペーパーの活用方法を紹介します。
クリーンルームでの印刷やメモ
クリーンルーム内での記録には、ゴミやほこりの発生を防ぐために、紙よりもパソコンやタブレットが多く使用されます。
一方で、ちょっとしたメモや掲示する印刷物など、紙を使用したいと感じる場面も想定されます。
その際に活躍するものが、クリーンペーパーです。
印刷や記録用にはコピー用紙型、メモ用にはメモ用紙型や付箋型などが選択できます。
筆記の際は、鉛筆やノック式ボールペンによる粉塵発生を回避するため、キャップ式ボールペンやサインペンなどの発塵が抑えられる筆記用具の使用がおすすめです。
クリーンルームに持ち込む資料
クリーンルームには次のような、4つの原則があります。
- 持ち込まない
- 発生させない
- 堆積させない
- 排出する
持ち込まないための対策として、ゴミの侵入を、室内を陽圧に保つことで制限します。
訪問者と室内で打合せする際に、提示する資料や工程管理表などを紙で見せる時に、クリーンペーパーの利用が有効です。
来訪者がメモを持参する可能性があるときには、クリーンペーパー製ノートや手帳を持参できるかの確認や、クリーンペーパーを渡すことがおすすめです。
クリーンペーパーを使用する場所
クリーンペーパーは、クリーンルームでよく使用されます。
クリーンルームとは、空気中のほこりや微細なゴミ、細菌などを抑制し、さらに温度や湿度の管理を施した部屋のことです。
ここでは、クリーンペーパーがどのような製造工場で必要とされているかを紹介します。
半導体・精密機械産業
クリーンペーパーは、半導体や精密機器産業などの工業用クリーンルームで使用されます。
半導体や液晶パネル、マイクロマシンなどの精密機器の製造過程では、ナノレベルでの作業が不可欠です。
そのため、空気中の微細な塵や化学物質などがチップ上に落ちることで、回路の不具合や商品不備を招く可能性があります。
検査や組み立て、メンテナンスの作業に至るまで、使用するノートやメモ用紙などは、良質なクリーンペーパーを用いることが重要です。
製薬・食料品産業
製薬工場や食品工場、病院の手術室などのバイオクリーンルームでも、クリーンペーパーは使用されます。
バイオクリーンルームは、空気中に浮遊する微生物や化学物質を規定レベル以下に抑える設備です。
病原性を持つ菌はもちろん、塵の存在も異物混入の一因となり、人体への影響が懸念されます。
使用するチェックシートやメモ用の付箋などにクリーンペーパーを用いることで、現場における高い安全性の保持が可能です。
医薬品の製造現場では、薬の白色と見分けやすいカラー付きクリーンペーパーも使用されています。
クリーンペーパーはどこで買える?
さまざまなクリーンルームで使用されるクリーンペーパーは、通信販売や一部のホームセンターで購入可能です。
製紙会社や理化学機器専門業者などからも販売されているため、使用量と価格のバランスを比較して、条件に合ったものを購入するとよいでしょう。
クリーンペーパーは折ったり曲げたりしない方がよいため、店舗で購入した際には、無理をして手で持ち帰るよりも、梱包されたものを発送してもらうことがおすすめです。
クリーンペーパーのおすすめは「OKクリーンRN」
クリーンペーパーをお探しなら「OKクリーンRN」がおすすめです。
国内売上No.1の製紙メーカー※ である王子グループの製品で、高い品質を強みとしています。
※... 参考URL (出典:日本製紙連合会)
ここでは、おすすめの理由を解説します。
抜群の低発塵性で幅広い用途に
OKクリーンRNは、選び抜かれたパルプに特殊な樹脂を含侵させる方法によって、印刷や筆記による繊維の脱落を防止し、発塵を極力抑えた紙です。
6色展開のカラーバリエーションで、米坪64g/㎡と72g/㎡の2種類があり、幅広い用途で活用できます。
すぐれた保存性を発揮
OKクリーンRNは、金属の接触による変色や錆の発生、浸食などの影響を受けにくく、変質が少ない中性紙です。
中性紙とは、中性~弱アルカリ性のpH領域で作られた紙を指し、経年劣化に強く長期保存に向いています。
リサイクルに対応
特殊な樹脂を含侵し製造するものの、離解性を持つため、通常の古紙と同様にリサイクルが可能です。
リサイクル後は、古紙パルプ用材として再生され、循環型社会の形成に寄与します。
OKクリーンRNの品質表
OKクリーンRNの品質を表にまとめました。
厚さ(mm) |
平滑度(秒) |
発塵量(個/0.02*cf) |
||||
表面 |
裏面 |
揉み |
擦り |
破り |
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測定方法 |
JIS-P8118 |
J TAPPI No.5-2 |
(0.3μm以上) |
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OKクリーンRN64g/㎡ |
0.084±0.004 |
20≦ |
5以下 |
|||
OKクリーンRN72g/㎡ |
0.093±0.004 |
*cf=立方フィート
*王子法=測定のばらつき低減のため、これまでのSEMI法で用いる測定条件をより厳しくした発塵量測定法
揉み:A4サンプル紙を、1回/5秒の割合で2分間に渡り揉み合わせる方法
擦り:14cm四方のサンプル紙を擦り試験機に取り付け、2分間紙同士を擦り合わせる方法(回転板速度:500rpm、接触板面圧:トルク1kg/cm)
破り:A4サンプル紙1枚の両短辺9か所へ、20mm間隔の切り込みを作り、切れ目に沿って破く作業を2分間で2枚行う方法
まとめ
クリーンペーパーは、クリーンルーム内で紙を使用する際、欠かせない製品です。
クリーンペーパーを選ぶなら、長年の経験と最先端技術によって品質保証の信頼度が高く、パルプからの一貫生産で実現する経済性も持つ「OKクリーンRN」がおすすめです。
当社は、OKクリーンRNの取り扱いもありますので、他の素材を含めて比較検討の際には、是非お気軽にご相談ください。
※「OKクリーン」は、王子ホールディングス株式会社の登録商標です。
この記事を書いた人株式会社ユポ・コーポレーション
地球と人を大切にしていきたい。
当社はこれからも環境保全や環境負荷の削減を使命として社会に貢献していきます。