光拡散フィルムとは? 効果や長所、おすすめの商品を紹介
光拡散フィルムとは、光を透過させるだけでなく適度に拡散させて柔らかい光を広範囲に照らせるアイテムです。フィルムの形態を活かし、さまざまな製品に活用されています。光拡散フィルムの効果やメリット、おすすめ商品をご紹介します。

光拡散フィルムとは
光の拡散とは、方向性をもった光を多方向に散乱させる作用です。光拡散フィルムは、特定の方向の光を拡散させ、光を均一にする機能を持つフィルム素材です。
光拡散フィルムを使用することで、光をムラなく拡散させられます。この性質を生かして、照明のカバーや液晶ディスプレイなどで活用されています。例えば、昔使われていた行燈では、蔽っていた和紙がこの光拡散フィルムと同様の効果を発揮していました。
フィルム状で薄型のものは光拡散フィルムと呼ばれ、分厚いものや板状のものは拡散板とも呼ばれます。
光拡散フィルムの効果
光拡散フィルムの効果は、光を均一にし明るさを増すことや、眩しさを軽減することです。光を拡散させると、明るさを保ったまま光量を分散させられます。これにより、ものをくっきりと視認させたり、強い光を軽減させたりが可能です。
光を明るく均一にする
光源からの光は直進性が強く、人間の目を眩ませたりものの視認を妨げたりする恐れがあります。光拡散フィルムは、特定の方向性のついた光を適度に散乱させ、光を均一に広げる効果をもつフィルムです。
照明に光拡散フィルムを貼ると、全体に光が分散され、明るくかつ広い範囲を照らせます。例えば、バックライトのついた液晶ディスプレイに光拡散フィルムを貼ると、輪郭がくっきりとした見やすい像の表示が可能です。
眩しさを抑える
電球や小型のLED、ディスプレイのバックライトは、時に光の直進性が強すぎて人に眩しさを感じさせることがあります。
光拡散シートは、こうした強い光源からの光を分散させることで、眩しさをやわらげ視認しやすくします。こうした目を痛めるリスクを軽減する作用が、光拡散シートの防眩性です。
光拡散シートにより、まっすぐ進もうとする光は適度に散乱し、見やすく色合いが鮮やかになります。
光拡散フィルムのメリット
光拡散フィルムは、光の拡散効果を活かしてさまざまなメリットをもたらします。また、薄いフィルム状であり凹凸のある形状の製品にも容易に貼付加工できる、部品を軽量化できるなどなどもメリットです。
電気代の削減につながる
光拡散フィルムを照明器具に使うと、光源からの光が散乱して広い範囲を明るく照らせます。これにより、少ない電力で灯りを有効に活用でき、電気代の節約にもつながるでしょう。
同じ消費電力の照明であっても、光拡散フィルムを活用することで、光の届く範囲を広げ、光をやわらげる効果があります。
また、光を散乱させることで影や陰影を緩和するため、撮影用の照明機材にも有効です。
デザインの選択肢が広がる
光拡散シートは、その薄さや柔軟性からさまざまな形状へ加工、貼付けが可能です。その結果、商品のデザインの選択肢が大きく広がります。
例えば、照明機材のカバーに使用する場合、複雑なデザインに合わせられます。通常、透過性と拡散性をもった素材とデザイン性の両立は難しいですが、透過性のみを優先した素材で形状を作ったあとに光拡散シートを貼れば実現可能です。
薄くて軽い
光拡散フィルムは、薄くて軽いという特性を持ちます。このため、ディスプレイに使用することで、電子機器の軽量化につながります。また、ごく薄いシートで光拡散性を付与でき、小型化や省スペース化にも役立つでしょう。
近年はスマートフォンやタブレット端末がPCと同様に普及しており、これらの製品は消費電力を抑えることや拡散板が占めるスペースを減らす目的で光拡散フィルムが使われています。
光拡散フィルムの使用場面
光拡散フィルムは、照明のカバーや液晶ディスプレイだけでなく、多様な場面で活用されています。
例えば、ディフューザーといった、写真や動画の撮影で使われる被写体の陰影をやわらげるアイテムがあります。これに光拡散シートを使うと、軽量化や効率化ができます。
また、電飾看板や店内ディスプレイといった電飾部分にも活用されています。また、窓に貼ると、光源を覆う場合と同様の効果が得られ、眩しさを防止しつつ効率的な採光が可能です。
光拡散フィルムの代用方法
光拡散フィルムは効果的ですが、従来同様の目的でさまざまな素材が使われてきました。
特に光の拡散については古来より活用の事例があります。光拡散フィルムの代用となる素材や方法を説明します。
アクリル板
アクリル板の中にも、透過性の高い透明なものや光拡散性を持つ素材があります。これらは光拡散フィルムの代用が可能です。
フィルムを貼る場合に比べ、素材自体が丈夫で長期間使用できる点がメリットです。また、透明性の高いアクリル板と光拡散性の強い乳白色のアクリル板を重ねると、照明の光を均等に美しくできます。
欠点は値段が高い点と、成形において加工が難しい点です。
クッキングシート
クッキングシートは本来の用途的に耐熱性が高く、光源からの熱で変形する恐れがありません。また、ある程度の透過性と光拡散性も備えているため、光拡散シートとして使用できます。薄く、切り取りやすく加工が容易でさまざまな形状に適用できる点、安く手に入れられる点もメリットです。
ただし、加工後の見栄えがあまりよくないため、個人のものには使用できても事業用には向かないところはデメリットです。
トレーシングペーパー
トレーシングペーパーは、透過性を備えつつ光拡散性も有しています。このため、光拡散フィルムの代用として使用できる素材です。
ただし、クッキングシートと違い耐熱性が高いわけではないため、熱を発する光源には使えないという課題はあります。また、クッキングシート同様に使用した際に見栄えがよくないため、事業用の製品への活用は難しいでしょう。
光拡散フィルムなら多機能なユポがおすすめ
代用品や自作では、光拡散の効果が充分ではありません。製品や事業には専用の光拡散フィルムを使用しましょう。
合成紙ユポには、光拡散性を備えた高機能商品が複数あります。ここからは光拡散性に優れた商品を紹介します。
ユポ電飾用紙
ユポ電飾用紙BLRGは、バックライトにより色彩鮮やかなディスプレイを可能とする電飾専用の製品です。
ユポBLRGは合成紙であるため、印刷への適性も高いといえます。この製品は、表面に多様な色彩の絵柄を使用してバックライトを透過させることで、鮮やかな色合いを実現しました。
消灯時でも画像の色合いが保てる点も特徴で、ファストフード店のメニューや銀行の店頭、デパートなどの化粧品売り場のバックライトポスターで多くの採用事例があります。
ユポトレース
ユポトレースは、製図などで用いられるトレース用紙のユポ版です。その使途から光透過性に優れつつ高い拡散性も有しています。
表面がしっとりした手触りで、両面に筆記適性を有する点が特徴です。
拡散シート以外にも、ブックカバーやスクリーン、掛け紙、包装紙としても活用されています。また、スタジオスクリーンやプロジェクター用の透過型スクリーンなどにも利用可能です。
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※「ユポ」「ユポトレース」は、株式会社ユポ・コーポレーションの登録商標です。
この記事を書いた人株式会社ユポ・コーポレーション
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