紙・合成紙のユポ・コーポレーション
更新 2025.06.04 公開 2023.12.20 コラム

マット紙の特徴や用途とは?|長所・短所、厚さの目安も解説

マット紙は塗工紙の一種です。同じく塗工紙の一種である光沢紙と異なり、表面の光沢を抑え、つや消しコーティング加工を施した紙です。折込チラシやパンフレットなど、身近なところで使われています。この記事では、消費財メーカーや印刷会社の購買・営業担当者に向けて、マット紙の長所や短所、用途などを解説します。マット紙の購入や活用を検討する際に、ぜひ役立ててください。

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目次

    マット紙とは

    マット紙とは、つやを抑えたコーティングが施されている塗工紙のことです。マットコート紙とも呼ばれます。紙の表面に塗料を塗り、圧力をかけてコーティングされています。主に、チラシやパンフレット、ポスターなどに使用されていますが、マット紙の厚さによって、その用途はさまざまです。用途の詳細は後述します。

    マット紙の特徴

    マット紙は、コート紙と比較して光沢が抑えられており、さらっとした感触を持つ紙です。落ち着いた雰囲気があり、光の反射が少ないため、印刷された文字を読みやすいという特徴もあります。パンフレットや会社案内など、文字情報を丁寧に伝える媒体としても、有効に活用できるでしょう。

    マット紙の長所とは

    マット紙を有効活用するためには、長所と短所を把握することが大切です。ここでは、主な長所を解説します。

    発色が良い

    マット紙の長所は、発色の良さです。コーティング前の普通紙や上質紙と比較すると、インキと馴染みやすく、鮮やかな印刷が可能です。色の再現性が高いため、写真やイラストなどのカラー印刷にも向いています。鮮やかながらも、光沢が抑えられているため、落ち着いた雰囲気も併せ持ちます。

    可読性・視認性に優れている

    マット紙は、可読性や視認性にも優れています。コート紙と比較すると、光沢が抑えられているため、文字情報が多い場合でも目が疲れにくく、長時間の閲覧にも適しています。また、光が反射しにくい性質があり、照明の下や明るい環境において、紙面を見やすいことも魅力です。

    文字の書き込みができる

    サインペンやボールペン、鉛筆などで文字を書き込めることも、マット紙の長所のひとつです。年賀状やメッセージカードのような、直筆のメッセージを書き加えたい印刷物に向いています。また、アンケート用紙や応募書類のように、手書きが必要となる印刷物としても使用可能です。

    マット紙の短所とは

    マット紙にはさまざまな長所がありますが、短所もあります。ここでは、主な短所について解説します。

    雨や日光に弱い

    マット紙は、雨や日光に弱いという側面があります。多くの天然パルプ由来の紙に共通する特徴ですが、耐水性が低いため、雨に濡れると強度が低下したり、印刷がにじんだりします。また、日光に当たると日焼けする場合もあります。これらの性質から、屋外での展示や使用が想定される場合、マット紙は適していません。

    乾きにくい

    印刷してからインキが乾くまでの時間が長く、乾きにくいという特性も、マット紙の短所のひとつです。乾きが遅いことから裏写りも生じやすく、特に、濃い色や多くの塗りつぶしを含むデザインには、マット紙は不向きです。

    マット紙の種類

    マット紙は、仕上がりの違いにより、ダル系とマット系に分類できます。ここでは、それぞれの特徴について解説します。

    ダル系

    ダル系のマット紙の特徴は、白紙部分の光沢が抑えられ、対照的に印刷部分に光沢が現れる点です。印刷部分の光沢感によって、デザインが引き立てられ、目を引く仕上がりを提供します。

    マット系

    マット系マット紙は、印刷部分と白紙部分の両方で光沢が抑えられるのが特徴的です。この特性により、ダル系マット紙に比べて、より落ち着いた印象を持つ印刷物に仕上げられます。

    マット紙と他の紙の違いとは

    マット紙以外の紙の特徴を知ることも、マット紙の有効活用につながります。ここでは、代表的な紙の特徴について解説します。

    コート紙

    コート紙は、塗工紙の一種。マット紙同様に表面に塗料が塗布されていますが、マット紙と比べ表面が滑らかでつやがあることが特徴です。鮮やかなカラー印刷が可能で、パンフレットや折込チラシ、ポスター、カレンダーなど、幅広く使用されています。ただし、表面が滑らかなため書き込みにくく、アンケート用紙や応募書類には不向きです。

    光沢紙

    光沢紙は、塗工紙の一種。コート紙同様に表面に光沢のあるコーティングが施され、印象的なつるつるとした質感を持ちます。グロスコート紙とも呼ばれます。特に、インクジェットプリンターに対応するものは、インキを迅速に吸収して定着させる特性を持っており、にじみが少なく、鮮明な色彩表現が可能なため、写真印刷に使用されています。また、レーザープリンターでの使用は、表面のコーティングが熱で溶けてしまう可能性があるため、レーザープリンター対応のものを使用すべきです。

    上質紙

    上質紙は、非塗工紙の一種。主にオフセット印刷に適した用紙です。化学パルプの配合率が100%で、非塗工紙のなかでも最上位のグレードとされています。普通紙に比べて紙の色が白く、印字が鮮明に再現されるため、高品質な印刷が可能です。書籍や教科書、ポスターといった一般的な商業用印刷物に使われます。

    普通紙

    中質紙は、非塗工紙の一種。上質紙と同じ原料からつくられますが、化学パルプの含有率が90%以下の紙です。 PPC用紙とも呼ばれています。紙の表面がコーティングされていないため、ザラついた質感が特徴です。安価で汎用性が高い点が魅力で、コピー用紙やプリンター用紙、ファックス用紙など、幅広い用途で使用されています。

    再生紙

    再生紙は、非塗工紙の一種。新聞や雑誌などの古紙をリサイクルした再生パルプから製造される紙です。普通紙と同様、多くの用途で使用可能です。紙の色は、普通紙や上質紙と比較すると、やや黄色や灰色に近い傾向があります。再生紙の魅力は、環境保護への貢献です。環境に配慮するユーザーから選ばれています。

    マット紙の厚さ別の用途

    紙にはさまざまな厚さのものがあり、用途も異なります。一般的に紙の厚さは、原紙サイズの紙1,000枚あたりの重量で表現されます。原紙サイズの紙1,000枚を「1連」、1連の重量を「連量」と呼び、連量で用いられる単位はkgです。同じ種類の紙であれば、連量が大きいほど厚みが増します。

    ここでは、マット紙の厚さを連量で分類し、それぞれの特徴と主な用途を解説します。なお、およその厚みを記載していますが、製品により異なる場合があります。

    70kg

    連量70kgのマット紙は、約0.06mm程度の厚みで、コピー用紙と同程度です。多くの場合、文字と写真によるカラー印刷物に使われます。主な用途は以下のとおりです。

    ・折込チラシ
    ・ポスティングチラシ
    ・雑誌の本文用紙

    90kg

    連量90kgのマット紙の厚さは、約0.08mm程度で、コピー用紙よりもやや厚みがあります。折込チラシや雑誌の本文用紙で使用されている紙より、しっかりとした印象です。主な用途は以下のとおりです。

    ・チラシ
    ・フライヤー
    ・冊子の本文用紙
    ・リーフレット

    110kg

    連量110kgのマット紙は、約0.1mm程度の厚みです。カラー写真も裏抜けしにくく、多くの印刷物に使用できます。主な用途は以下のとおりです。

    ・映画パンフレット
    ・商品パンフレット
    ・ポスター
    ・チケット
    ・会社案内

    135kg

    連量135kgのマット紙は、約0.13mm程度の厚さがあります。主な用途は以下のとおりです。

    ・本の表紙
    ・CDジャケット
    ・パンフレット
    ・ポスター
    ・フライヤー

    180kg

    連量180kgのマット紙は、約0.2mm程度の厚みがあり、ハガキと同程度です。厚みがあるため、折り込むタイプの印刷物や大量印刷には適していません。主な用途は以下のとおりです。

    ・ポストカード
    ・名刺
    ・ショップカード
    ・招待状

    220kg

    連量220kgのマット紙は、約0.27mm程度の厚みがあります。主な用途は以下のとおりです。

    ・名刺
    ・ポストカード
    ・商品パッケージ
    ・ポケットフォルダー
    ・ページ数の多い冊子の表紙

    マット紙を使う際の注意点とは

    レーザープリンターやインクジェットプリンターを使用する際は、それらの印刷に対応したマット紙を選択してください。プリンターの熱でコート剤が反応し気泡が発生する場合や、インキが定着しにくいケースがあるためです。また、上質紙やグロスコート紙と比較して、インキが乾きにくいマット紙もあります。印刷の納期が変わる可能性を考慮し、余裕を持った計画を心掛けましょう。

    紙とフィルムのメリットを併せ持つ高機能合成紙「ユポ」とは

    高機能合成紙「ユポ」は、ポリプロピレン樹脂と石灰石由来の「炭酸カルシウム」を主成分とし、プラスチックフィルムのような耐水性・耐久性と、紙のようなしなやかさや印刷性を兼ね備えています。

    「ユポ」は木材パルプを含まない合成紙の一種で、マット紙のような天然紙ではありません。高彩度・高精細な印刷が可能で、高い耐水性と丈夫さを併せ持ちます。マット紙には不向きな、選挙ポスターや広告などの屋外ポスターや、お風呂ポスターなど水回りの製品としても使用可能です。

    「ユポ」は製品ラインナップが多岐に渡り、光沢のあるタイプからマット調のもの、半透明のものなど、さまざまなニーズに対応しています。一部のグレードには筆記適性を持つタイプもあります。

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    まとめ

    マット紙は、発色が良く、可読性・視認性に優れ、文字の書き込みも可能といった特徴を持ちます。一方、雨や日光に弱く、一般の紙と同様に破れやすいという特徴もあります。マット紙の特徴を把握し、適切な用途に使用することが大切です。


    株式会社ユポ・コーポレーションは、合成紙「ユポ」の製造販売を行っています。高い機能性を備えながらも、環境負荷の少ない点が、合成紙「ユポ」の強みです。国内No.1のシェア※を誇り、50年以上の実績があります。またユポは、セキュリティラベルの基材としても良く活用されています。転移タイプ・非転移タイプ・ぜい質タイプ、それぞれに向いた特性のラインナップがあることが特徴です。

    ※...合成紙市場における販売量(t)、(参考)矢野経済研究所「2022年版 特殊紙市場の展望と戦略」

    「ユポ」は、脱プラスチックが難しい場合でも、プラスチック削減に貢献できる素材です。「ユポグリーン」シリーズは植物由来樹脂を配合しています。どちらも化石燃料由来のプラスチック使用量やCO₂排出量の削減につながる「環境負荷削減に貢献できる素材」としておすすめします。環境に配慮した素材をお求めの際は、ぜひお問い合わせください。

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    地球と人を大切にしていきたい。
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    ユポは、ポリプロピレン樹脂と石灰石由来の炭酸カルシウムを主原料とする、紙とフィルムの特長を併せ持つ合成紙です。ユポは、ユポ・コーポレーションが特許を保有する技術が多数用いられた高機能素材であり、一般的な紙と違い、水や油に強く、破れにくいなどの利点が多くあるため、屋外のポスターや食品・日用品の容器ラベル、飲食店メニューなどの身の回りの製品で一般的な紙の代替品として様々なシーンで採用されています。また、ユポは一般的なPPフィルムと比べて、CO₂排出量や樹脂使用量が約45%少ない(※1)ため、環境負荷低減に貢献する素材として注目されています。加えて、ユポはリサイクル可能な素材であり、その一例として、選挙の投票用紙に使用されたユポを再生樹脂原料へ再利用する取り組み(※2)が行われています。ユポは長年愛され、合成紙市場において45年以上国内シェアNo.1、世界70カ国で使用される実績(※3)を誇っています。※1…詳細はこちら ※2…詳細はこちら ※3…詳細はこちら

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    「ユポ静電吸着」「クロスユポ」「ハイティアーユポ」「コンシールユポ」「ユポジェット」「ユポコート」「YPI」「ユポエアー」は(株)ユポ・コーポレーションの登録商標です。
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