紙・合成紙のユポ・コーポレーション
更新 2025.06.04 公開 2024.03.28 コラム

薬品ラベルの表記法「GHS」とは?「SDS」「JIS」との違いも解説

薬品のラベルは、ルールにのっとった表記が必要です。この記事では、ラベル表記法の「GHS」について、「SDS」「JIS」との違いや、表示の6項目をわかりやすく解説しています。薬品のラベルについて知りたい人は、ぜひ役立ててください。 ※当記事に掲載されている情報の正確性については万全を期しておりますが、当社は利用者が当記事の情報を用いて行う一切の行為について責任を負うものではありません。御了承ください。

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目次

    薬品の「ラベル」とは?

    薬品のラベルは、内容物である薬品について、正しい取り扱い方や扱う際に伴う危険有害性情報など、定められた項目を使用者にわかりやすく表示したものです。容器に貼り付けるものと、容器に直接印刷されるものがあります。

    薬品ラベルの表記法「GHS」とは?

    GHSは「Globally Harmonized System of Classification and Labeling of Chemicals」の略称です。日本語に訳すと「化学品の分類および表示に関する世界調和システム」で、国連加盟国共通のルールです。2003年に、国連勧告として採択されました。

    GHSでは薬品に限らず、化学物質に関する表記ルールを定めています。GHSの導入以前は、世界で統一された注意表記がありませんでした。各国で表記ルールがまちまちで、輸出入される化学物質を取り扱ううえでリスクがあったために、統一したルールとしてGHSが作られました。

    SDS」との違い

    SDS」は「Safety Data Sheet」の略称で、日本語では「安全データシート」のことです。化学物質の取り扱いについて、詳しく記載している資料です。GHSでは、SDSに記載すべき項目についてもルールを定めています。

    ラベルとは異なり、SDSの作成方法は各国の法律で定められています。日本で該当する法律は「化学物質排出把握管理促進法」「労働安全衛生法」「毒物及び劇物取締法」です。

    JIS」との違い

    JIS」は「Japanese Industrial Standards」の略称で、日本語では「日本産業規格」のことです。以前は「日本工業規格」と呼ばれていました。日本国内では、GHSの内容の一部をJISの規格として定めており、具体的には「JIS Z 7252」と「JIS Z 7253」が該当します。

    GHSに基づくラベルの作成方法については「JIS Z 7253」にまとめられています。ラベルの作成方法が分からない場合は、最初に確認するとよいでしょう。

    薬品など「GHS」のラベル表示に含まれる6項目

    GHSのラベル表示は、基本的に6項目で構成されています。それぞれの項目について解説します。

    1.化学品の名称

    はじめに、内容物の製品としての名称や、使用されている化学物質の名称を記載します。

    2.注意喚起語

    注意喚起語は、内容物の危険有害性について重大性を表すものです。「危険」「警告」「注意喚起語の記載なし」の3パターンがあります。「危険」は「警告」よりも危険有害性が高い内容物です。注意喚起語が記載されていない場合は、危険有害性が低いといえます。

    3.絵表示(シンボル)

    シンボルとは、内容物の化学物質が該当する危険有害性のクラスと区分により、表示が決定されるマークです。シンボルには全部で9つの種類があり、シンボルがない区分も存在します。詳しくは後述します。

    4.危険有害性情報

    危険有害性情報は、内容物の危険有害性について「性質」や「程度」を示すものです。たとえば、引火性液体であれば以下の4つの区分に分けられます。区分1はもっとも危険有毒性が強く、取り扱いにはより一層の注意が必要です。

    区分1:極めて引火性が高い液体・蒸気

    区分2:引火性が高い液体・蒸気

    区分3:引火性の液体・蒸気

    区分4:可燃性液体

    5.注意書き

    注意書きは、危険有害性をもつ製品によるばく露や、その不適切な取扱いから生じる被害を防止するために取るべき措置を記述するものです。製品についての一般、安全対策、応急措置、保管および廃棄に関して、区分された危険有害性クラスごとに推奨される文言が存在します。

    6.供給者情報

    供給者情報の欄には、当該化学物質を供給・譲渡する側の、法人名や個人名・住所・電話番号を記載します。

    GHS」のラベル表示に必要な絵表示(シンボル)と名称

    ひし形の枠は赤色、中に示される絵表示(シンボル)には黒色を使用します。また、薬品などのラベルに示す際のサイズは、1cm²以上が望ましいとされています。絵表示(シンボル)は、国連UNECEのホームページからダウンロードが可能です。以下に、9種類の絵表示(シンボル)とそれぞれの概要を解説します。

    参考:GHS pictograms | UNECE

    炎のシンボルは、可燃性・引火性ガス、エアゾール、引火性液体、可燃性固体、自己反応性化学品、自然発火性液体・固体などに相当する化学品を表しています。燃えやすく、空気との接触により発火しやすいなどの性質があることを示しています。

    円上の炎

    円上の炎のシンボルは、支燃性・酸化性ガス、酸化性液体、酸化性固体を表す絵表示です。他の物質の燃焼を助長する性質を有するため、熱に近づけてはなりません。他の可燃物からは離すようにしましょう。

    爆弾の爆発

    爆弾の爆発のシンボルは、熱や火花にさらされると爆発する性質があることを示す絵表示です。危険を有する爆発物・自己反応性化学品・有機過酸化物であるため、着火源に近づけてはなりません。

    腐食性

    腐食性のシンボルは、接触した金属または皮膚等を損傷させる危険性を有していることを意味する絵表示です。金属腐食性物質、皮膚腐食性、眼に対する重篤な損傷性があり、接触しないよう注意しなければなりません。

    ガスボンベ

    ガスボンベのシンボルは、高圧ガスを表す絵表示です。圧縮または液化されたガスが充填されています。加熱されると膨張して爆発する可能性があるため、熱に近づけないよう注意して取り扱いましょう。

    どくろ

    どくろのシンボルは急性毒性を表す絵表示です。経口摂取、経皮接触、吸入ばく露などによって体内に入ると、人体に急性的で有害な影響があり、死亡する場合もあることを示しています。

    感嘆符

    感嘆符のシンボルは、急性毒性や皮膚刺激性、眼刺激性、皮膚感作性、気道刺激性、麻酔作用といった健康有害性を有していることを示す絵表示です。どのような危険有害性があるかを確認して、注意書きに沿って取り扱いましょう。

    環境

    環境のシンボルは、水生環境有害性を表す絵表示です。水生生物に対する毒性があり、水生環境(水生生物およびその生態系)に悪影響を及ぼす性質があることを表しています。環境に放出しないよう注意しなければなりません。

    健康有害性

    健康有害性のシンボルは、飲む・触れる・吸うといった行為で体内に入ると、健康障害を引き起こす恐れがあることを表す絵表示です。呼吸器感作性、生殖細胞変異原性、発がん性、生殖毒性などのリスクがあります。

    まとめ

    薬品のラベルは、内容物について定められた項目を分かりやすく表示したものです。薬品だけではなく化学物質についても、各国共通のルールであるGHSに準じて表記されます。GHSのラベルでは、名称・注意喚起語・シンボル・危険有毒性情報・注意書き・供給者情報の6項目を記載しましょう。

    シンボルは9種類あり、薬品のラベルには1cm²のサイズが望ましいとされています。薬品の容器に貼り付ける際は、耐久性が高く容易に剥がれないものがおすすめです。耐久性と剥がれにくさを兼ね備え、環境にも優しい合成紙「ユポ」は最適といえるでしょう。

    株式会社ユポ・コーポレーションは、合成紙「ユポ」の製造販売を行っています。高い機能性を備えながらも環境負荷の少ない点が、合成紙「ユポ」の強みです。国内No.1のシェアを誇り、50年以上の実績があります。

    ※...合成紙市場における販売量(t)、(参考)矢野経済研究所「2022年版 特殊紙市場の展望と戦略」

    「ユポ」は、脱プラスチックが難しい場合でも、プラスチック削減に貢献できる素材です。「ユポグリーン」シリーズは植物由来樹脂を配合しています。どちらの製品も化石燃料由来のプラスチック使用量や、CO₂排出量の削減につながる「環境負荷削減に貢献できる素材」としておすすめです。環境に配慮した素材をお求めの際は、ぜひお問い合わせください。

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