紙・合成紙のユポ・コーポレーション
更新 2025.06.04 公開 2024.10.15 コラム

HDPEとは? 特徴だけでなく耐久性や安全性までまとめて解説

HDPEと呼ばれる高密度ポリエチレンは、「High Density PolyEthylene(ハイ デンシティ ポリエチレン)」の略称で、ハイデンポリエチとも呼ばれます。 気密性が高く、コシのある強さが特徴的なプラスチックです。 本記事では、HDPEの用途・長所・短所などを紹介します。

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目次

    1.HDPE(高密度ポリエチレン)とは

    HDPE(高密度ポリエチレン)とは、密度が0.9420.970のポリエチレンを指します。
    側鎖が短く少ない短鎖分岐構造を持ち、低密度ポリエチレンと比べると、分子同士が密に詰まっています。そのことから密度が高まり、硬くて強いポリエチレンとなることが特徴です。
    半透明または不透明な色をしており、耐熱性・耐寒性・耐酸性・機械特性の高さ、成形品の外観の良さなどさまざまな特徴があります。
    用途は雑貨用品や建築材料など幅広く、特に薄いフィルムの作成に向いています。

    LDPELLDPEとの比較

    HDPEに対して、LDPE(低密度ポリエチレン)やLLDPE(線状低密度ポリエチレン)と呼ばれるプラスチックもあり、注意が必要です。
    HDPEとよく比較されるLDPEは、長い側鎖を数多くもつ長鎖分岐の構造で、密度が0.9100.930未満のポリエチレンです。
    HDPEと同様に耐薬品性・耐寒性・耐衝撃性・耐水性などに優れているという特徴を持ちます。
    一方、LLDPEはエチレンに加えて、炭素数2から6のコモノマーを共重合させ製造されます。
    LDPEと比べ、融点が高く高温に強いことや、強度を持つことが特徴です。

    2.HDPEの用途

    HDPEは、さまざまな特徴を持つため用途も多岐に渡ります。
    特に薄いフィルムが作れることや引っ張りに強いこと、強いコシを持つことなどから、スーパーやコンビニのレジ袋はHDPEがよく使われます。
    食品への衛生性や気密性の高さによるバリア性もあるほか、厚手のゴミ袋から5μm程度の薄膜のロール袋まで、厚みの異なる袋も製造可能です。
    耐熱性や耐薬品性を利用した用途としては、シャンプー容器・灯油タンク・理化学分野のポリエチレン製ボトルのキャップやボトル本体・ブルーシートなどが挙げられます。

    3.HDPEの長所

    HDPEは、日常で使う雑貨品や特殊な薬品を使うための容器、インフラを支える配管など、幅広い用途で使われています。
    ここで紹介するHDPEの長所を理解すると、他の用途での利用、あるいは類似するフィルムの検討もできるでしょう。

    耐久力が高く寿命が(耐久年数)が長い

    HDPEは耐久性が高く、耐久年数が長い長所を持ちます。
    そのため、下水道管や排水管などの配管、薬品や溶剤の保存容器などで利用可能です。
    ただし、屋外や衝撃が加わりやすい環境での使用では、劣化は早まるでしょう。
    劣化してくると、亀裂やクモの巣状のひび割れなどが発生することもあります。このような状態を発見した際は、速やかに取り外し交換するようにしましょう。
    HDPE配管の耐久年数はおよそ3040年で、銅管の約2倍もの寿命があるのです。

    安全性が高い

    HDPEは安全性が高く、直接触れても毒性がありません。
    このことから食品安全衛生性が認められる、直接食品と触れる容器として使用されている素材のひとつなのです。
    汚染を受けにくいだけでなく、内容物を漏洩させない特徴もあり、飲料や食品を入れるブロー形成容器にも利用できます。
    また、耐寒性があるため食品の冷凍保存にも使用可能です。

    リサイクルできる

    HDPEはリサイクルできるため、持続可能な社会の実現に向けて取り組む現代に適した素材です。
    環境のためにリサイクルを推進する現代社会では、使用した紙やプラスチックはリサイクルできることが常に求められます。
    HDPEは適切なリサイクルによって、再生プラスチック製品の原料へと変化します。
    HDPE独自のリサイクルマークがあるため、細かく分別し、リサイクルの際には確認しましょう。
    HDPEはリサイクルされるとゴミ袋・レジ袋・配管・ブルーシート・網戸などに生まれ変わります。

    4.HDPEの短所

    一方で、HDPEは何にでも使える万能原料というわけではなく、短所も存在します。
    火や高温(70℃以上)で溶解や変形を起こすため、どのような熱にも強いとは言えません。
    粘着強度も低く、接着剤や糊を使っても固定は困難です。また、印刷や塗装も付きにくいため下処理の必要があります。
    紫外線にも弱いため、直射日光のある場所で使用すると劣化が早まるでしょう。屋外で使用しなければならない場合、安定剤を混ぜて成型し、劣化を起こしにくくすることが重要です。
    ストレスクラックと呼ばれる、使用後かなり時間が経ってから亀裂を起こす現象もあります。
    耐薬品性はアルカリ性には発揮できますが、酸性や界面活性剤には弱く、ストレスクラックの原因のひとつでもあります。

    5.サステナブルな選択肢「ユポ」

    ユポの主原料は、ポリプロピレンと天然鉱物の無機充填剤です。
    プラスチックの持つ高い耐久性に加え、耐水性も持つために破れにくく、油や薬品などへの強さを持ちます。

    また、ユポの製造工程は、有害物質や環境負荷物質を抑えています。微細な空孔(ミクロボイド)を形成しながら製造する独自の方法で、同じ厚みのPPシートを製造するときと比べて、CO₂とプラスチックの使用量を約45%削減できるのです。
    使用後は資源としても再利用可能で、再生固形燃料またはプラスチックの原料としてリサイクルされます。
    商品を作る際に、プラスチック削減や環境配慮型の多数のラインナップを持つユポを検討すると、SDGsの実現に向けた活動につながるでしょう。

    ユポの種類は豊富で、シール・ステッカー用から、半透明品やメタリック調の製品などまで幅広く扱っています。
    さまざまな用途でユポを検討してみるとよいかもしれません。

    ユポのサステナビリティについて

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    ユポは、ポリプロピレン樹脂と石灰石由来の炭酸カルシウムを主原料とする、紙とフィルムの特長を併せ持つ合成紙です。ユポは、ユポ・コーポレーションが特許を保有する技術が多数用いられた高機能素材であり、一般的な紙と違い、水や油に強く、破れにくいなどの利点が多くあるため、屋外のポスターや食品・日用品の容器ラベル、飲食店メニューなどの身の回りの製品で一般的な紙の代替品として様々なシーンで採用されています。また、ユポは一般的なPPフィルムと比べて、CO₂排出量や樹脂使用量が約45%少ない(※1)ため、環境負荷低減に貢献する素材として注目されています。加えて、ユポはリサイクル可能な素材であり、その一例として、選挙の投票用紙に使用されたユポを再生樹脂原料へ再利用する取り組み(※2)が行われています。ユポは長年愛され、合成紙市場において45年以上国内シェアNo.1、世界70カ国で使用される実績(※3)を誇っています。※1…詳細はこちら ※2…詳細はこちら ※3…詳細はこちら

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