紙・合成紙のユポ・コーポレーション
更新 2025.06.04 公開 2024.10.23 コラム

全光線透過率とヘイズ値は透明度にどう影響する? 透明度が高いメリットは?

全光線透過率は、素材に光が入射した際に、内部を透過する光の割合を示した数値です。ヘイズ値は全光線透過率のうち平行光線以外の割合を示します。全光透過率とヘイズ値は、物質の透明度に関係しますが、透明度の高さよりも濁りや白色度をメリットとした活用が多いといえるでしょう。部材の全光透過率とヘイズ値、透明度について解説します。

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目次

    全光線透過率とはフィルムを通過する光の割合

    全光透過率とは、物質を通過する光の割合を示す数値です。単位はパーセント(%)で、入射光量に対する透過光量の割合を表します。

    この場合、通過する光は平行光線だけではありません。拡散して通過する光も含まれます。したがって、透明度が高いことと全光線透過率は必ずしもイコールではありません。

    透明度が低くても、屈折や散乱の形で透過した光の量が多ければ全光線透過率は高くなります。

    フィルムは、全光線透過率を上げることでさまざまな用途に使用できます。

    平行線透過率との違い

    平行線透過率とは、光が入射前の方向を保って透過をした割合です。この数値が高いと、物質を通して物が見えます。

    平行線透過率が高いと、透明度も高い状態です。逆に、平行線透過度が低い状態では、光の拡散により物質は白く濁って見えます。拡散した光が重なり合って各波長の光が混合し、白くなるためです。

    平行線透過率は全光線透過率より低い数値を取ります。両者の差は、拡散しながら透過した光の割合です。

    ヘイズ値との関係性

    ヘイズ値とは、透明部材の曇り具合を表す数値で、曇度や濁度とも呼ばれます。全透過光に対する透過光の拡散した度合いを示す数値であり、値が大きいほどその素材が白濁していることを示します。

    ヘイズ値の公式は以下の通りです。

    ヘイズ値=(全光線透過率-平行光線透過率)/全光線透過率

    部材へ入射した光が直進する割合が小さいほど、ヘイズ値は大きくなり、光の拡散性が強いことを表します。ただし、分母が全光線透過率であるため、ヘイズ値が低いことと透明性が高いことはイコールではありません。

    透過率の高さを利用した製品用途

    全光線透過率の高いフィルムは、光量を遮らず明るさを確保します。

    平行線透過率が高いと透明度も高いため、このようなフィルムは外部からの陽光を遮り中を見えなくする用途には向きません。主に、プライバシーを確保しつつ光量を維持して部屋を明るく保つ用途に使われます。

    また、液晶フィルムはスイッチのオンオフで平行線透過率の高い透明な状態と、ヘイズ値の高い白濁した状態とを切り替えられます。そのため、状況に応じて使い分けられるでしょう。主にオフィスの会議室などで使用されるアイテムです。

    透過率が高いフィルムのメリット

    透過率、ヘイズ値が共に高いフィルムは、内部の光源により視認性を高められる、色彩を鮮やかに表現できるなどのメリットがあります。また、ガラスと比較して衝撃に強く割れにくいため、破損の可能性がある場所にも使用できます。

    視認性が高い

    内部に光源を持った電飾看板に透過率の高いフィルムを使用すると、内部からの光がフィルムを透過する際に適度に拡散して視認性を高めます。

    この性質から、透過率が高いフィルムは電飾看板に活用できます。内部からの光が拡散しながら透過するため、フィルムの模様が色彩豊かになる点が特徴です。

    こうしたフィルムは、デパートの電飾やコンビニ、店舗の看板に活用されています。

    色彩が豊かで鮮やかになる

    透過率が高いフィルムを使用すると、色彩が豊かで鮮やかになります。これは、背後に光源がない場合も同様です。

    特に、ヘイズ値が高いフィルムでは、透過した光が適度に拡散しながら下の素材に反射して、フィルム表面の反射光以上の光量を与えます。こうした点から、透過率が高いフィルムに印刷された図柄や画像は、綺麗な色彩とくっきりとした視認性を実現できるでしょう。ポスターや広告に適しています。 

    ガラスよりも衝撃に強く割れにくい

    透過率が高く視認性が高い素材として、古来よりガラスが使われてきました。ガラスは透過率の高さによる発色のよさも魅力です。しかし、衝撃に弱く割れやすいところは欠点です。

    透過率の高いフィルムは、割れにくい性質を持ちます。同じく割れにくい部材に貼ることで、ガラス同様の透過率や採光性を実現できます。透過率の高いフィルムの利点です。

    透明度が高い用紙には多機能なユポがおすすめ

    ユポは、合成紙でありながら高い透明度を実現しています。光が拡散しながら透過するため、鮮やかな色彩の電飾ポスターなどの作成に向いているでしょう。

    耐候性にも優れており、外向けの電飾への活用にも適しています。半透明のユポのラインナップについては、こちらもご覧ください。

    ユポ電飾用紙

    ユポ電飾用紙は、高い全光線透過率を保持しつつ、白色度を高めた電飾用の製品です。

    電飾用紙としての利用を想定し、暖色系の色彩を豊かに表現できる特質を持ちます。バックライト点灯時だけでなく、消灯時にも豊かな色合いが保たれる素材です。

    合成紙としてのコシや耐候性が保たれており、各種印刷方法にも対応可能で、

    バイオマス樹脂を配合しCO₂を排出削減に貢献するユポグリーンシリーズの製品です。

    ユポトレース

    ユポトレースは各種プロモーションに使えるしっとりした触感のトレース紙です。折りに強く、傷つきにくい性質を持ちます。透過率、ヘイズ値が共に高く、トレース紙としての利用だけでなく、CD・DVDのジャケットや書籍、カレンダーの表紙、封筒やレターセット、各種パッケージやプロジェクターのスクリーンなどにも利用されています。

    両面共に筆記適性があり、油性印刷、低出力でのUVオフセット印刷に対応した用紙です。ただし、高出力でのUVオフセット印刷は、紙の波うちやカールの原因になる場合があります。

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    ※「ユポ」「ユポグリーン」「ユポトレース」は、株式会社ユポ・コーポレーションの登録商標です。

    この記事を書いた人株式会社ユポ・コーポレーション

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