サステナブル容器とは?特徴や種類・企業のリサイクルの取り組みも紹介
サステナブル容器とは、環境に配慮して作られたものです。容器を製造する際は、持続可能な社会を実現するために、製造過程や廃棄後などを考慮する必要があります。この記事では、サステナブル容器の特徴や種類などについて解説します。サステナブル容器の具体例や、企業の取り組みなども解説しているので、ぜひ参考にしてください。

サステナブルとは
サステナブル(Sustainable)とは、持続可能という意味です。昨今、持続可能な社会を目指すために、地球の環境に配慮したさまざまな取り組みが行われています。サステナブルは、生活環境における衣・食・住すべてに求められます。持続可能でよりよい世界を目指す国際指標として「SDGs」があり、SDGsもサステナブルな社会への取り組みの1つです。
サステナブルな取り組みに必要な「4R」とは
サステナブルな取り組みには、一般的に「4R」が必要だとされています。4Rとは、以下4つの頭文字を指します。
・Refuse(リフューズ)
・Reduce(リデュース)
・Reuse(リユース)
・Recycle(リサイクル)
ここでは、それぞれの意味や特徴について解説します。
Refuse(リフューズ)
Refuseは、断るという意味の言葉です。ゴミになりそうなものの購入や譲渡を断り、ゴミそのものを出さない取り組みを指します。消費者であれば、買い物の際にビニールや紙袋などを受け取らない行動や、必要以上のものを買わない意識が求められます。企業は廃棄を減らす生産活動や、代替素材の開発などが必要となります。
Reduce(リデュース)
Reduceは、減らすという意味を持ちます。地球上にある資源の使用量を抑えたり、ゴミの排出量を削減したりする活動のことです。たとえば、シャンプーや洗剤などは、詰め替え用を購入してボトルを再利用します。フードロス削減のために必要な分だけを購入したり、手前どりをしたりする活動もReduceに含まれます
Reuse(リユース)
Reuseは、繰り返し使うという意味の言葉です。今あるものを修理して使ったり、人に譲ったりすることを指します。たとえば、中古品の修理や古着を着回す活動です。使えるものはすぐに捨てるのではなく、他の使い道を考えることが求められます。自分がものを使わない場合でも、必要とする人に譲渡できます。
Recycle(リサイクル)
Recycleは、資源を再利用する意味を持ちます。資源として使えるものを捨てずに、リサイクルして再利用する活動です。ゴミは廃棄すると、燃焼させるだけで終わります。しかし、商品として利用価値がない場合でも、資源として利用できるものがあります。ゴミを捨てる前に分別したり、リサイクル品を使ったりすることが必要です。
サステナブル容器の特徴
容器には環境に配慮したものが求められています。ここでは、サステナブル容器の特徴を解説します。
環境に配慮した素材
環境への負担が少ない素材には、天然素材や植物由来のバイオプラスチック、リサイクル素材などがあります。容器に使用されている従来のプラスチックは、その多くが化石燃料由来の原料で作られています。化石燃料を原料として作られているプラスチックは、分解されにくい性質を持ち、廃棄されると環境汚染の原因となることがあります。そのため、サステナブルな容器には適していません。
繰り返し利用可能
SDGsの取り組みが活発化しており、社会全体でサステナブルに配慮する意識が高まっています。マイボトルやリターナブル瓶など、繰り返し利用できるものに注目が集まっています。どちらも洗うと再利用できるので、サステナブルな容器として最適です。シリコーンの容器も、環境負荷の低い素材でつくられています。
サステナブル容器の種類
サステナブル容器は、素材の再利用や変更などの工夫がされています。ここでは、サステナブル容器の種類を解説します。
再生PET容器
再生PET容器とは、プラスチックのPETボトルを回収し、原料としてリサイクルしたものです。容器の原料には、飲料用であったものが使用されます。無色のペットボトルはリサイクルがしやすく、再生利用が進んでいます。再生利用が進んでいるプラスチックの中では、比較的強度が高い点が特徴です。
PETボトルに使われるPET樹脂は、熱や圧力をかけると変形する「熱可塑性プラスチック」の1つです。
バイオマス樹脂製容器
バイオマス樹脂製容器は、バイオマス樹脂で作られたものです。バイオマス樹脂とは、植物のような有機資源を使用するプラスチック素材です。基本的に原料は植物の非可食部が使われています。主な原料は、サトウキビ、トウモロコシ、トウゴマ、キャッサバなどがあります。
バイオマス樹脂製容器の原料である植物は、成長する過程で二酸化炭素を吸収します。化石燃料由来の樹脂からバイオマス樹脂に切り替えることで、CO₂排出量の削減が可能です。バイオマス樹脂を処分する際に排出されるCO₂は、原料である植物が吸収した分と相殺されると考えられています。この考え方をカーボンニュートラルと呼びます。
紙製容器
紙は植物から作られる持続可能な資源です。紙は環境に配慮した容器に使えて、カーボンニュートラルに貢献する素材として、ニーズが高まっています。紙製品は多くが木材(パルプ)を原材料としたものです。木材は適切な森林管理でCO₂を吸収して生長するため、持続的に利用が可能な資源になります。
日本の市場は、多くの再生紙製品が流通している点が特徴です。リサイクルされた紙製品には、トイレットペーパーや新聞紙、段ボールなどさまざまなものがあります。
サステナブル容器の具体例
サステナブル容器は、さまざまな商品が販売されています。ここでは、サステナブル容器の具体例を解説します。
ミツロウラップ
ミツロウラップは、コットンや麻布などの生地を使ったものです。生地にミツバチの巣で使われている蜜蝋(ミツロウ)と、植物由来の樹脂を染みこませてあります。ミツロウラップはプラスチックのラップと違い、洗うことで繰り返し使える点が特徴です。蜜蝋は防腐効果や抗菌作用などを持ち、食材の鮮度を落としにくい効果も期待されています。
Stasher(スタッシャー)
Stasherは、シリコーンで作られた保存容器です。シリコーンは耐熱性があるため、レンジやオーブン、湯煎などで利用できます。Stasherは密閉型が特徴で、ジッパー付きの袋としても使えます。耐久性が高い素材を利用しており、調理したり洗浄したりしても化学物質が溶けにくく、繰り返し利用できます。
プロデュースバッグ
プロデュースには「農産物」という意味があり、プロデュースバッグとは野菜や果物を入れる袋を指します。オーガニックコットンなどの、繊維が丈夫であり、かつ土に還りやすい素材で作られる点が特徴です。プロデュースバッグは欧米では豊富な種類のものが購入できますが、日本では商品数が少ない傾向にあります。
サステナブル容器に対する取り組み例
企業はサステナブル容器の利用を促進しています。ここでは、サステナブル容器に対する取り組みの例を解説します。
株式会社ファンケル
株式会社ファンケルは、FANCLリサイクルプログラムを実施しています。同社の直営店舗に専用BOXを設置し、化粧水や洗顔料などの容器を回収しています。容器を持ち込む際に、洗浄する必要はありません。店舗に使用済みの容器を持ち込むと、容器1個につきポイントが付与されます。
※参考:FANCL リサイクルプログラム|株式会社ファンケル
株式会社良品計画
株式会社良品計画は、着られなくなった同社製の衣服を回収し、色を染め直して商品を再生する活動を行っています。同社製のPET素材回収リサイクルも実施しており、化粧水や乳液用のボトル、自分で詰める水のボトルなどを回収しています。それぞれの活動で石油由来原料の有効活用をし、プラスチックごみの削減につなげました。
※参考:「PET素材回収リサイクル」を始めました | MUJI NEWS | 株式会社良品計画
まとめ
サステナブル容器は、地球規模で必要とされるものです。未来の世代が暮らしやすい持続可能な社会をつくるために、地球環境に配慮した容器が求められています。今後はバイオマス樹脂容器や紙製容器などの再生可能な素材を使った容器を活用するなど、生産から廃棄までの環境負荷を減らす取り組みが重要です。
株式会社ユポ・コーポレーションは、合成紙「ユポ」の製造販売を行っています。高い機能性を備えながらも、環境負荷の少ない点が、合成紙「ユポ」の強みです。国内No.1のシェア※を誇り、50年以上の実績があります。またユポは、セキュリティラベルの基材としても良く活用されています。転移タイプ・非転移タイプ・ぜい質タイプ、それぞれに向いた特性のラインナップがあることが特徴です。
※...合成紙市場における販売量(t)、(参考)矢野経済研究所「2022年版 特殊紙市場の展望と戦略」
「ユポ」は、脱プラスチックが難しい場合でも、プラスチック削減に貢献できる素材です。「ユポグリーン」シリーズは植物由来樹脂を配合しています。どちらも化石燃料由来のプラスチック使用量やCO₂排出量の削減につながる「環境負荷削減に貢献できる素材」としておすすめします。環境に配慮した素材をお求めの際は、ぜひお問い合わせください。
※「ユポ」「ユポグリーン」は株式会社ユポ・コーポレーションの登録商標です。
この記事を書いた人株式会社ユポ・コーポレーション
地球と人を大切にしていきたい。
当社はこれからも環境保全や環境負荷の削減を使命として社会に貢献していきます。