紙・合成紙のユポ・コーポレーション
更新 2025.06.13 公開 2024.03.13 コラム

選挙の投票用紙に使われている素材「ユポ」とは?メリットも解説

​​選挙の投票用紙は、合成紙「ユポ」に印刷などの加工を施して製造されています。ユポとは、株式会社ユポ・コーポレーションの独自製法によって製造された、フィルム法合成紙です。この記事では、選挙の投票用紙の素材や使われている理由、メリットについて解説します。選挙の投票用紙以外のユポの使用用途についても解説しているので、参考にしてください。

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目次

    挙の投票用紙に使われている素材のユポとは

    ユポは、株式会社ユポ・コーポレーションの独自技術で製造された高機能合成紙です。株式会社ユポ・コーポレーションは、ユポについての特許・商標を世界各国で取得しています。主原料は、合成樹脂「ポリプロピレン」と、天然鉱物である石灰石由来の「炭酸カルシウム」です。
    ユポは、3層構造で強度を確保しつつ、高い白色度や印刷・筆記適性、軽量性などの機能を実現しています。ユポのメリットについては、後ほど詳しく解説します。

    ユポが選挙の投票用紙に使われている理由

    ユポが選挙の投票用紙に使われている理由は、主に3つあります。ここでは、3つの理由について解説します。

    筆記適性が高いため

    選挙の投票用紙に使われている理由として、筆記適性が高いことが挙げられます。油性ボールペンやマジックはもちろん、鉛筆の筆記にも向いており、軽い筆圧で書くことが可能です。引っかかりやすべりもなく、滑らかな書き心地であるため、選挙の投票用紙に最適です。ユポの中でも特に鉛筆の筆記に好適なものが投票用紙に使用されています。

    折り曲げてもすぐ開くため

    折り曲げてもすぐ開く点も、ユポが選挙の投票用紙に使われている理由の1つです。ユポを使った投票用紙は、折りたたんで箱に入れても自然に開きます。これにより、スムーズな開票作業を実現し、即日開票にも貢献しています。折り目が付きにくい理由としては、ユポがプラスチックを主成分としていることと、成形時に延伸して製造していることが挙げられます。

    計数機適性がある

    ユポは、投票用紙を読み取って票数を計測する機械「計数機」への適性があります。計数機には、投票用紙に書かれた手書きの文字を素早く識別し、自動分類できる機能が搭載されています。また、計数機のスキャナーは投票用紙の両面を同時に読み取るため、事前に投票用紙の向きを揃える手間が省け、開票作業の効率化が可能です。

    選挙用紙に使われるユポの仕組みを解説

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    選挙用紙には、誰でも書きやすいことや折り曲げた後の開きやすさ、計数機への適性が求められます。
    これらすべての条件をクリアした紙が、「ユポ BPコート」です。
    ここでは、選挙用紙にも使われるユポの仕組みを紹介します。

    3層構造

    ユポは、ベースとなる基層を上下の表層で挟んだ3層構造です。
    主原料であるポリプロピレンと石灰石由来の炭酸カルシウムと少量の添加剤を加えて作ったペレットを使って、基層と表層を作ります。
    基層を縦方向に延伸後、表層をラミネートして横方向に延伸して、構造を作り出す仕組みです。
    ユポの持つさまざまな特性は、この技術によって厚みの違う製品でも活かされています。

    ミクロボイド(微細な空孔)

    ユポの持つミクロボイド(微細な空孔)は、製造時の延伸工程によって作られます。
    目には見えないミクロボイドが多数存在することで、光の乱反射が起こり、フィルムの白さや不透明度を演出します。
    フィルムであるにも関わらず、インクによる印刷適性や鉛筆による高い筆記適性などが一般紙に匹敵するメリットも、ミクロボイドによる効果です。
    また、ミクロボイドの存在で、フィルムの比重が小さくなり、軽量化や樹脂量削減にも寄与します。

    ポリプロピレン樹脂

    ユポの主原料は、ポリプロピレン樹脂です。
    ポリプロピレンは、炭素と水素から構成されるプラスチックで、燃えても有害物質が発生しないことが特徴です。
    ユポは、このポリプロピレンに、石灰石由来の炭酸カルシウムと少量の添加剤を加え、延伸加工を経て製造されています。
    また、ポリプロピレンにはリサイクル適性があることから、ロール状にできあがったユポをカットする際に発生する端部の製品は、再度ユポの原料として使用されています。

    選挙の投票用紙にユポを使用する6つのメリット

    選挙の投票用紙にユポを使用するメリットは、主に6つあります。ここでは、6つのメリットについて解説します。

    1.折り曲げても直ぐに開く

    ユポの機能により、折り曲げてもすぐに開きます。
    そのため、開票作業が迅速に行われるようになります。
    一時的に折り曲げて選挙の秘匿性を保ちつつ、選挙箱投函後にユポがすぐ開くことで、選挙の開票作業を効率化できるという、選挙にぴったりの素材といえます。

    2.耐水性が優れている

    耐水性が優れている点は、選挙の投票用紙にユポを使用するメリットの1つです。一般的にパルプで作られた天然紙は、水に濡れるとダメージを受けやすい特徴を持っています。しかし、ユポは、天然紙よりも水に強く、万が一水に濡れてもふやけたりせず、形状が変わることもありません。

    水濡れで強度が低下することがないため、投票用紙に記載した内容が判読できなくなるリスクも減らせます。また、油や薬品が付着しても、変化や劣化することがほぼありません。

    3.CO₂排出量やプラスチック使用量の削減に貢献している素材である

    CO₂​排出量やプラスチック使用量の削減に貢献が可能な素材である点も、大きなメリットです。基材のユポは一般的な0.3mm厚のPPフィルムに比べて、約45%のCO₂排出量を削減可能※です。ユポは製造時に、内部に多数の空孔(ミクロボイド)を形成しているため、プラスチック使用量の削減につながっています。※削減効果は厚みにより異なります。

    4.リサイクルが行われている素材である

    ユポ製の投票用紙は、保管期間経過後、プラスチック原料としてマテリアルリサイクルされているケースがあります。使用済みの投票用紙の回収方法は、「ゆうパック方式」と「大口回収方式」の2種類あります。ゆうパック方式は1箱から送ってリサイクル処理ができる方法で、大口回収方式は専用トラック便で回収する方法です。このリサイクルシステムは、NPO法人選挙管理システム研究会が構築しており、各自治体が同NPO法人に委託する形で実施されています。焼却処分と比較してCO₂排出量を大幅削減できるため、20224月に施行された"3R+Renewable"を基本原則に掲げる「プラスチック資源循環促進法」に則った、環境へ配慮した取組みであり、SDGsへの貢献と言えるでしょう。

    参考:NPO法人選挙管理システム研究会 投票用紙リサイクル

    5.紙に近い質感で鉛筆でかける

    紙に近い質感で鉛筆でかける点も、選挙の投票用紙にユポを使用するメリットです。ユポは、一般的なプラスチックフィルムとは異なり、一般紙のように鉛筆でしっかりと表面にかきこめます。引っかかりや、すべりもなく、筆記適性があるため、選挙の投票用紙に適しているといえるでしょう。

    6.破れにくい

    選挙の投票用紙にユポを使用するメリットとして、一般紙よりも破れにくい点も挙げられます。ユポは非常に丈夫であるため、力強く書き込んでも、引っ張ったり折り曲げたりしても、破れにくく強度が高い点が特徴です。
    投票用紙が破れてしまうと、正確な開票作業に影響がでてしまいますが、ユポを使用する場合、そのような心配はいりません。

    選挙の投票用紙以外のユポの使用用途

    選挙の投票用紙以外にも、様々なシーンでユポが使用されています。ここでは、選挙の投票用紙以外のユポの使用用途について解説します。

    選挙ポスター

    ユポは、雨や汚れに強いため、選挙用のポスターにも使用されています。シワがよりにくく、剥がれにくいという特徴もあるため、選挙期間中に雨が続いても、安心してご使用いただけます。
    また、選挙用だけではなく、お風呂場用ポスターや屋外に掲示するポスターなどにも使われています。

    商品・店舗用の広告・プロモーション

    ユポは、商品や店舗用の広告、プロモーションとしての利用にも適しています。例えば、屋外や店舗のガラスウインドウやショーケースに貼るポスターや、冷凍・冷蔵ケースでの値札や販促用POPなどが挙げられます。鮮やかなカラーや質感、シズル感を再現できるため、商品や店舗の広告・プロモーションに最適です。

    出版物・ステーショナリー

    ユポは、出版物・ステーショナリーにもよく活用されています。具体的には、登山地図やハザードマップ、カードゲームのプレイマット、耐水ノート、作業マニュアル、飲食店のメニュー、フォトブックやアルバム、パンフレット、ガイドブックなどが挙げられます。ユポは、耐久性や耐水性が高く、丈夫であるため、屋外や作業現場で使用する出版物やステーショナリーに最適です。

    商品のパッケージラベル

    様々な商品のパッケージのラベルにも、ユポが使用されています。例えば、シャンプーやハンドソープなどの日用品のラベル、ハムや冷凍食品などの食品ラベル、包装紙や掛け紙、日本酒や地ビールなどの瓶ボトルのラベル、家電や電気機器のラベルなどです。

    災害時のハザードマップ

    ユポの活用法のひとつに、災害時のハザードマップがあります。
    ハザードマップは、洪水や土砂災害、津波などの自然災害による被害の警告と安全確保について、地域別に必要なものを行政がまとめた地図です。
    災害発生の可能性が高まる大雨の中で確認したり、折り畳んで広げる作業を繰り返しても正確な視認に問題が起こらないようにするため、印刷性と耐水性、耐久性の高いユポは重宝されています。

    その他の特殊な用途

    ユポは、自治体や医療機関、企業などでも使用されています。例えば、診察券、会員証、リストバンド、採血管ラベル、各種カード・チケット、各種タグなどが挙げられます。今後も、さらに新しい分野での利用が広がることでしょう。

    まとめ

    選挙の投票用紙には、合成紙「ユポが使用されています。ユポは、リサイクル可能な素材で、耐水性や耐久性に優れている点がメリットです。選挙の投票用紙はもちろん、選挙ポスターや商品・店舗用の広告・プロモーションなど、さまざまな用途で使われています。
    株式会社ユポ・コーポレーションは、耐水性や耐久性に優れる合成紙「ユポ」の製造販売を行っています。高い機能性を備えながらも、環境負荷を削減可能な点が、合成紙「ユポ」の強みです。約70%の高い国内シェア※と、50年以上の実績があります。

    ※合成紙市場における販売量(t)、(参考:)矢野経済研究所「2022年版 特殊紙市場の展望と戦略」

    「ユポエアー」は、脱プラスチックが難しい場合でも、プラスチック削減に貢献できる素材です。「ユポグリーンシリーズ」は植物由来のバイオマス樹脂を配合しています。化石燃料由来のプラスチック使用量やCO₂排出量の削減につながる素材としておすすめします。環境に配慮した素材をお求めの際は、是非お問い合わせください。

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    ※「ユポ」「ユポエアー」「ユポグリーン」は株式会社ユポ・コーポレーションの登録商標です。

    この記事を書いた人株式会社ユポ・コーポレーション

    地球と人を大切にしていきたい。
    当社はこれからも環境保全や環境負荷の削減を使命として社会に貢献していきます。

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    ユポは、ポリプロピレン樹脂と石灰石由来の炭酸カルシウムを主原料とする、紙とフィルムの特長を併せ持つ合成紙です。ユポは、ユポ・コーポレーションが特許を保有する技術が多数用いられた高機能素材であり、一般的な紙と違い、水や油に強く、破れにくいなどの利点が多くあるため、屋外のポスターや食品・日用品の容器ラベル、飲食店メニューなどの身の回りの製品で一般的な紙の代替品として様々なシーンで採用されています。また、ユポは一般的なPPフィルムと比べて、CO₂排出量や樹脂使用量が約45%少ない(※1)ため、環境負荷低減に貢献する素材として注目されています。加えて、ユポはリサイクル可能な素材であり、その一例として、選挙の投票用紙に使用されたユポを再生樹脂原料へ再利用する取り組み(※2)が行われています。ユポは長年愛され、合成紙市場において45年以上国内シェアNo.1、世界70カ国で使用される実績(※3)を誇っています。※1…詳細はこちら ※2…詳細はこちら ※3…詳細はこちら

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    「ユポ静電吸着」「クロスユポ」「ハイティアーユポ」「コンシールユポ」「ユポジェット」「ユポコート」「YPI」「ユポエアー」は(株)ユポ・コーポレーションの登録商標です。
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