垂れ幕とは?用途や生地・加工方法などについても解説
幕の種類には、垂れ幕以外にも横断幕、タペストリー、のぼりがありますが、どのような区別があるかを知らないという人も多いでしょう。この記事では、垂れ幕について、ほかの幕と比較しながら詳しく解説します。垂れ幕に関する基礎知識を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

垂れ幕とは
垂れ幕とは、学校、住宅展示場、デパートなどの建物の上部から吊下げられている、縦に長い広告や告知用の幕のことです。懸垂幕(けんすいまく)、縦幕、店頭幕と呼ばれる場合もあります。垂れ幕は、催事、イベントの告知、商品の広告などの情報を印刷し、周知、集客、販促などの用途で使用されているのが特徴です。
幕には垂れ幕のほかにも種類がある
幕には垂れ幕だけでなく、横断幕、タペストリー、のぼりがあります。以下では、垂れ幕に似た製品それぞれについて簡単に解説します。
横断幕
垂れ幕と横断幕の違いは、幕の向きです。垂れ幕は縦向きであるのに対し、横断幕は横向きに使用されます。垂れ幕と横断幕の素材や製作方法には、ほぼ違いがありません。用途も似ていますが、横断幕には主に、店舗の宣伝、イベントの告知、スポーツの応援といった目的で使用される場面が多いです。
垂れ幕と横断幕の特徴
前述のとおり、垂れ幕と横断幕には、共通する特徴がいくつかあります。以下で、くわしく解説します。
付け外しや付け替えが簡単
看板やディスプレイとは違い、垂れ幕や横断幕は手軽に設置や撤去ができます。撤去した後も保存状態がよければ、再び掲示が可能です。垂れ幕や横断幕を一度作成すると、何度も使用できます。
視認性がよい
垂れ幕や横断幕は表示面積が大きいため、遠くからでも見やすいのが魅力です。そのため、掲示している場所の近くを通る不特定多数の人にアピールしたい場合や、認知を向上させたい場合に向いています。
タペストリー
タペストリーとは、垂れ幕の一種です。幕の上辺に棒を通し、天井から吊るしたり壁に固定したりできます。広告物や調度品などとしてよく利用されています。タペストリーの作成方法としては、布系素材にインクジェット印刷機でプリントして制作することが主流です。具体的には、飲食店、展示場、イベント会場の広告として、使用される傾向があります。
タペストリーの特徴
タペストリーにもさまざまな特徴があります。以下でくわしく解説します。
多彩な表現方法がある
タペストリーの表現方法は、非常に多種多彩です。さまざまな布系素材に染色や印刷ができ、ニーズに合わせた質感、色味、絵柄などを表現できます。イメージに合わせて、さまざまな印象を与えられる点も特徴の1つです。
しわができにくく剥がれにくい
タペストリーは、紙のポスターと比べると風雨に強く、しわもできにくいのがポイントです。また、紙のポスターよりもしっかり固定できるため、一度掲示すると剥がれにくくできます。
きれいな状態で長期間保存できる
タペストリーは、きれいな状態で長く保存できます。布系素材であるため、折りたたんだり筒状に巻いたりしてもクセがつきにくいのが利点です。
のぼり
のぼりは旗の一種であり、布の素材の上辺と左右の一辺にチチや袋縫いを付け、棒を通して二辺を固定するのが特徴です。のぼり旗とよばれる場合も少なくありません。のぼりは、コンビニや飲食店など、店舗の屋外(ロードサイド)に設置される場合が多いです。
通行人に主力商品や標語などを認知させられます。ただし、旗と違って上辺も固定されているため、風が吹いていなくても垂れません。一般的に、旗は横長、のぼりは縦長のものをさします。
のぼりの特徴
のぼりにも、他の幕とは異なる特徴があります。以下で、わかりやすく解説します。
使用する生地が薄く軽い
のぼりの生地としては、薄手の「ポンジ」が使用される場合が多いです。薄くて軽いため、のぼりの持ち運びもしやすい点が、メリットといえるでしょう。裏面にもインクが浸透し、柄がはっきり見えます。また、風を受けてよくなびくのもポイントです。
道路沿いにも設置できる
のぼりは縦長であるため、道路沿いに設置しても通行の妨げになりにくい特長があります。「交通安全」「子供飛び出し」「スピード落とせ」といった標語や注意を掲示すると、安全の啓蒙にもつながります。
垂れ幕の使用用途
垂れ幕の使用用途は、非常にさまざまです。以下でくわしく解説します。
学校
学校では、部活動が大会で活躍したことをPRするために、垂れ幕が使用されることが多いです。また、学園祭や運動会などの雰囲気を盛り上げるため、装飾した垂れ幕が使用される場合もあります。これらの行事において、垂れ幕が手作りされるケースも珍しくありません。
ショッピングモールなどの大型商業施設
大型商業施設では、店舗が開催するイベントやおすすめ商品の告知などに垂れ幕が使われる場合が多いです。季節に合わせた装飾や、営業時間のお知らせなどにも使用されます。垂れ幕を吊り下げる場所は、屋内の吹き抜けや建物の壁面沿いなどです。垂れ幕を掲示するガイドレールが設置されているショッピングモールも、よく見られます。
小型の店舗
小型の店舗でも、商品や営業時間などの宣伝のために、垂れ幕が用いられています。たとえば、酒店の軒先から地面へ垂れ幕を垂らし、「酒」の文字や記号を示している店舗もあります。2階以上にある店舗では、設置できるスペースに合わせて、小さな垂れ幕を活用するケースも多いです。
高層ビルや建築現場
高層の建物の中には、高さを活かして文字を大きく記した大型の垂れ幕が、設置される場合もあります。たとえば、売出し中のマンションの広告に使われるケースも少なくありません。広告主である企業の、ブランドの雰囲気やコンセプトのイメージに合わせて、イラストや写真を使用したデザインがよく採用されています。
また、建築現場では、作業員や通行人に向けて「安全第一」や「工事中」と示したり、建設会社名を通知したりするために、足場幕(現場シート)として垂れ幕が活用されています。
垂れ幕の注意点
垂れ幕の作成や使用について、いくつか気をつけるべきことがあります。以下で、注意点を具体的に解説します。
条例等
垂れ幕を屋外で掲示する場合、屋外広告物に該当します。エリアによっては屋外広告物条例があり、何らかの規制が設けられている可能性もあるでしょう。そのため、事前に条例の有無や内容をチェックし、規制がある場合は掲示予定の垂れ幕が抵触しないように、注意が必要です。
デザイン
垂れ幕は、遠くからでも認識できるデザインにすることが大切です。画像やイラストは、大きく見やすく配置しましょう。文字は、太くて読みやすいゴシック体が好ましいです。垂れ幕を掲示するサイズに制約やルールがあったり、企業ロゴを使用する際のデザインについて規定があったりする場合は、それらを逸脱しないように気をつけて垂れ幕をデザインする必要があります。
取り付け方法
垂れ幕を活用するうえでの最重要事項の1つは、落下させないことです。垂れ幕の取り付け方法としては、ハトメ加工して紐で吊り下げる方法と、袋縫い加工をして上辺に棒を通して吊り下げる方法があります。紐の張力をしっかりかけ、緩んで解けたり垂れ幕が垂れ下がったりしないように注意しましょう。
垂れ幕の取り付けは看板と比べて簡単であるため、費用削減のために自分で取り付ける人もいますが、専門の業者に委託したほうが安心です。
保管方法
再利用するために保管する際は、保管方法に気を付けると垂れ幕が長持ちします。汚れた場合は、製作メーカーが推奨する方法で手入れをしましょう。垂れ幕は、乾かした状態での保管が基本です。濡れた状態で保管すると、色落ちや色移りの原因になるため、注意が必要です。また、直射日光を避けて保管します。
さらに、垂れ幕のプリント面を内側にし、筒状に丸めて保管するとよいです。折りたたんで保管するとしわが定着したり、折り目からインクが剥がれたりする可能性もあるため、注意しましょう。
まとめ
垂れ幕は、縦に長い広告や告知用の幕であり、懸垂幕、縦幕、店頭幕とも呼ばれています。催事、イベントの告知、商品の広告などの目的でよく使用されています。垂れ幕を活用する場合は、取り付け方法や保管方法などにも配慮が必要です。
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この記事を書いた人株式会社ユポ・コーポレーション
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