紙・合成紙のユポ・コーポレーション
更新 2025.06.04 公開 2023.09.01 コラム

バイオマスを活用したバイオエタノールとは|特徴や注目されている理由

バイオエタノールとは、再生可能な動植物由来の資源から作られた燃料の1つです。バイオエタノールは、地球温暖化防止対策や石油代替燃料として注目されています。 この記事では、企業の営業や購買部門担当者に向け、バイオエタノールの特徴について解説します。注目されている理由や、活用方法、各国での取り組みも解説するため、参考にしてください。

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目次

    バイオエタノールの概要

    バイオマスやバイオ燃料の概要を把握しておくと、バイオエタノールについてより理解しやすくなります。以下で、それぞれの概要について解説します。

    そもそもバイオマスとは

    バイオマスとは、生物資源(bio)の量(mass)の意味で、動植物などから生まれた生物資源の総称です。木材や海藻、紙、プランクトンなど再生可能な動植物由来の資源で、化石資源を除いたものを指します。適切に管理を行えば持続的に再生可能であるため、近年注目が高まっている資源の1つです。

    バイオ燃料とは

    バイオ燃料とは、バイオマスを利用して作られた燃料で、バイオマス燃料とも呼ばれます。石油、石炭、天然ガスのように量が限られる枯渇性資源に対し、再生できる非枯渇性資源として注目されている燃料の1つです。二酸化炭素の総排出量を抑えられるクリーンな資源であるため、自動車や飛行機に利用する燃料の代替物としても活用が増えています。

    バイオエタノールとは何か

    バイオエタノールとは、とうもろこしやサトウキビなどのバイオマスを発酵・蒸留して製造するエタノールです。バイオ燃料の1つで、ガソリン代替利用や、ガソリンとの混合利用が可能です。地球温暖化防止対策や、ガソリンの消費量を減らす効果が期待できることから、自動車メーカー各社が開発・改良に注力しています。

    バイオエタノールと混同されやすい用語

    バイオ燃料は、バイオエタノールだけではありません。混同されやすい用語の主な4つについて解説します。

    バイオディーゼル

    バイオディーゼルは、ディーゼルエンジン用燃料です。使われる原料は、菜種油、パーム油、ひまわり油、米油といったさまざまな油脂が挙げられます。日本では、家庭や企業の社員食堂、給食センターなどから集められた廃食用油が、活用されているケースも少なくありません。トラック、バス、重機、トラクター、ボイラーなどで軽油の代わりに使用できます。

    バイオガス

    バイオガスとは、気体形状のバイオ燃料です。酸素のない状態で微生物に、えさとなる生ゴミ、家畜の排泄物、汚泥、汚水などを分解させ、発生するガスを使います。バイオガスは車両の燃料源としてだけでなく、ガスを燃焼させた熱を利用して発電、温水プール、調理ガスなどに利用可能です。

    バイオジェット燃料

    バイオジェット燃料とは、バイオマス原料から製造される航空燃料です。木材、生ゴミ、タバコ、藻類、ミドリムシなどのさまざまな有機物から得られる油成分を精製して作られます。バイオジェット燃料はすでに実用化されており、多くの航空会社がテスト飛行だけでなく商業飛行にも成功しています。

    バイオマスインキ

    バイオマスインキとは、バイオマスから成分を抽出して製造されるインキです。石油系溶剤の代わりに、米ぬかや植物油、綿、パルプといった自然由来の資源が使われます。バイオマス成分の含有率が、乾燥重量10%以上のものがバイオマスインキと認定され、バイオマスマークを掲示可能です。自社の企業パンフレットやチラシにバイオマスマークを入れれば、取り組みのアピールにつながるでしょう。

    バイオエタノールが注目されている理由

    バイオエタノールは、二酸化炭素の排出量削減につながり、カーボンニュートラルな燃料であることから、近年注目されています。

    二酸化炭素の排出量を削減できる

    バイオエタノールは、二酸化炭素を吸収する植物が原料です。燃料をバイオエタノールにすれば、燃焼時の二酸化炭素は発生するものの、そこで発生した二酸化炭素は、バイオエタノールの原料となる植物に吸収されます。燃焼する際に発生する二酸化炭素は、バイオエタノールの原料となる植物へ吸収されることによって結果的にプラスマイナスゼロとなり、大気中の二酸化炭素の排出量を削減できると言われています

    カーボンニュートラルな燃料である

    バイオエタノールは、気候変動枠組条約でカーボンニュートラルな燃料と位置付けられています。カーボンニュートラルとはバイオ燃料に関していえば、バイオ燃料を燃焼させた際に放出される二酸化炭素は、植物が成長する際に吸収された二酸化炭素と差し引きできるため、大気中の二酸化炭素の総量は増えないという考え方です。排出量に対して吸収量が同等の量であるため、差し引いた合計は実質的にゼロになります。このように、化石資源由来ではなく植物由来のエタノールは、二酸化炭素の排出量削減に貢献する燃料です。

    バイオエタノールの活用方法

    バイオエタノールを活用する場合、ほとんどのケースではガソリンと混ぜて使われます。バイオエタノールが3%配合であればE3、10%配合であればE10といった各国の規格で、ガソリンスタンドで販売されています。混合したガソリンを使えば、ガソリンの使用量を減らすことに貢献可能です。そのほか、レジ袋に使われるバイオポリエチレンの原料としても活用されています。

    開発が進む第2世代バイオエタノール

    バイオエタノールの従来の製造方法では、サトウキビ、とうもろこし由来の糖蜜やデンプンなど可食成分を用いており、増産に限界がありました。現在では、食料資源価格の高騰や食糧難の発展途上国への影響を減らす取り組みとして、食用作物の非可食部や木材や草本類を利用した第2世代バイオエタノールの開発が進められています。

    ブラジルでは、サトウキビの搾汁後の残りかすを原料として使用しています。資源の有効活用や収益化に貢献できることから、バイオエタノールの輸出が近年加速しています。

    世界の取り組み

    昨今では、世界のバイオエタノールの生産量が増加傾向です。ここでは、日本をはじめとした米国・欧州・ブラジルの取り組みを解説します。

    日本

    日本では、2005年4月に京都議定書の目標達成計画において、2010年度までに原油換算で50klの輸送用バイオ燃料を導入する目標を設定しました。経済性や供給安定性の検証のため、一部地域で製造に関する実証事業が行われています。原料費や燃料費が高い一方で、施設規模が小規模であるため、製造コストが販売価格を上回っている状況です。

    ※参考:バイオエタノール先進国と日本の取組の比較

    米国

    米国では、主にとうもろこしを原料としてバイオ燃料を製造しています。2005年包括エネルギー政策法により、ガソリンに再生可能燃料を一定量混入することが義務付けられたことから、使用量が拡大傾向にあります。また、食糧との競合を避けるために、第2世代バイオエタノールの導入拡大も進められています。

    欧州

    欧州では、主に麦類を原料としてバイオエタノールを製造しています。2010年に設定された輸送用燃料におけるバイオ燃料比率目標は、5.75%です。またドイツでは、2007年から製油業者に、化石燃料にバイオ燃料を一定割合で混合する義務を課すことを決定しました。

    ※参考:バイオエタノールに関する 国の取り組み

    ブラジル

    ブラジルでのバイオエタノールの主な原料は、サトウキビです。1970年代の石油危機をきっかけにエタノール生産の取り組みを強化し、2006年11月から23 に引き上げることを義務付けました。国内に製造工場が多くあり、低コスト生産構造を確立しているため、バイオエタノールの輸出も行っています。

    バイオエタノールの課題

    日本の輸送用バイオ燃料の導入目標だった50万klは、実際はガソリン全体の需要量の一部に過ぎません。さらに普及に向けての課題は、国内事業者にとって事業が小規模かつ高コストである点です。普及に繋げるには、低コスト化のための技術開発が不可欠となるでしょう。

    まとめ

    バイオエタノールとは、再生可能な動植物由来の資源を使った燃料を指します。カーボンニュートラルな燃料で、二酸化炭素の排出量削減に貢献できることから注目されています。日本では、一部地域で実証事業が行われていますが、今後大幅な生産拡大が求められています。

    ユポグリーンシリーズは、二酸化炭素の排出量を抑えた環境対応製品です。従来品の主原料である化石燃料由来樹脂の一部を、植物由来のバイオマス樹脂に代替しており、焼却時の二酸化炭素の排出量を削減でき、地球温暖化対策に貢献しています。環境対応製品をご検討の際は、ぜひご活用ください。

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    ※「ユポ」「ユポグリーン」は、株式会社ユポ・コーポレーションの登録商標です。

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