紙・合成紙のユポ・コーポレーション
更新 2025.06.04 公開 2023.09.01 コラム

バイオマスインキとは|概要やメリット、マーク使用の申請方法も解説

バイオマスインキは、生物由来の資源を活用した環境負荷の少ないインキです。この記事では、バイオマスインキの導入を検討している企業の担当者に向けて、バイオマスインキの概要や注目される理由、メリットを解説します。 また、バイオマスマークの申請方法や、バイオマスインキ以外の環境に配慮したインキについても紹介します。バイオマスインキの導入をご検討の際は、ぜひ役立ててください。

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目次

    バイオマスインキとは何か

    そもそも「バイオマス」とは

    バイオマスとは、再生可能で持続的に利用できる、化石資源を除いた生物由来の資源のことを指します。生物資源(bio)の量(mass)を意味する言葉であり、現在注目が高まっている資源の1つです。バイオマスは、太陽光、水、二酸化炭素があれば再生産可能であるため、環境負荷の少ない資源として利用できます。

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    バイオマス成分10%以上で認定される

    バイオマスインキは、生物由来の資源であるバイオマスから、成分を抽出して造られたインキです。バイオマス成分の含有率(バイオマス度)が10%以上であるインキが、バイオマスインキとして認定されます。

    バイオマスインキの製造に利用される生物由来の資源としては、米ぬか、綿、植物油、パルプ、被子植物の種などが挙げられます。従来のインキと比較して、環境に配慮した特徴を持っています。

    バイオマスマークとは

    バイオマスマークとは、生物由来の資源を使用し、関連法規や基準、規格に適合している環境商品に付与されるマークです。一般社団法人日本有機資源協会が運営の主体となり、プラスチック製品や印刷インキ、繊維製品などに対して認定を行っています。

    製品に含まれるバイオマス成分の含有量が、乾燥重量比で10%以上であることが基本条件であり、品質や安全性なども審査の対象となります。

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    バイオマスマークの申請方法

    バイオマスマークを商品に付与するには、申請のうえ、審査に合格する必要があります。申請後、合格してマークの使用契約を締結するまでの期間の目安は、申請書受付締切日から2か月程度です。申請数によっては、さらに長くかかることもあります。申請から利用開始までの流れは以下の通りです。

    1. 事務局へ申請書を提出
    2. 事務局による申請書類の事前確認
    3. 審査委員会による審査
    4. 認定と使用契約の締結
    5. 認定番号とバイオマスマークの受領

    ※参考:バイオマスマーク|一般社団法人日本有機資源協会

    バイオマスマークの審査や使用にかかる費用

    バイオマスマークの審査や使用にかかる費用は、以下の通りです。

    ・認定審査料:22,000円/件
    ・変更審査料:11,000円/件
    ・使用料:132,000円/件(使用契約締結日より2年毎)
    ・使用更新料:5,500円/件(使用契約更新時毎)

    なお、上記の費用は2023年4月5日時点のもので、すべて税込み価格です。振込手数料は、申請者が負担します。

    ※参考:バイオマスマーク|一般社団法人日本有機資源協会

    バイオマスインキが注目される理由

    バイオマスインキは、環境に配慮したインキであるため、多くの企業に注目されています。一般的なインキの原料には、石油由来の有機溶剤が含まれており、インキの利用過程において、環境や人体への影響が懸念されます。バイオマスインキは、石油由来の有機溶剤の含有量が少ないため、石油資源の使用量を抑えられます。環境や人体への悪影響も軽減されます。

    ただし、バイオマスインキは、石油由来の有機溶剤が一切含まれていないわけではありません。原料の一部が、バイオマス成分に代替されたものです。また、高沸点石油系溶剤を1%未満に抑えたノンVOCインキと呼ばれるタイプも存在します。

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    バイオマスインキを導入するメリット

    バイオマスインキを導入することで、環境にも企業にもメリットが生まれます。ここでは、主なメリットについて解説します。

    二酸化炭素の排出を抑えられる

    バイオマスインキの導入により、二酸化炭素の排出量を低減することが可能です。パッケージや印刷物にはインキが利用されており、焼却処分する際に二酸化炭素が排出されます。バイオマスインキの原料として利用される植物は、その成長過程で二酸化炭素を吸収します。

    そのため通常のインキの場合と比較して、焼却処分時の二酸化炭素の排出量を抑えられる点が、バイオマスインキを導入する利点の1つです。

    石油資源から持続可能な資源に切り替えられる

    インキの製造に利用される資源を、石油資源から持続可能な資源に切り替えられることもメリットです。通常のインキは、石油が原料として利用されています。しかし、石油の埋蔵量には限りがあり、永続的には利用できません。

    バイオマスインキの原料には、大豆油、亜麻仁油、桐油、ヤシ油、パーム油、綿、米ぬかなどの植物由来の資源が含まれます。これらは、生育と資源としての活用のバランスを適切に維持するかぎり、持続可能な資源としてインキの製造に利用できます。

    バイオマスマークで環境対応をPRできる

    企業は、商品にバイオマスマークを表示することで、環境への貢献活動を顧客にPRできます。バイオマスマークは、一定の基準を満たした商品であることを示すものです。バイオマスマークの認定を受け、商品に表示することによって、環境への悪影響が少ない製品であることを、顧客にアピールできます。このようなPR活動は、顧客からの評価や信頼の獲得につながるでしょう。

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    バイオマス資源を利用したインキの種類

    環境に配慮したインキ

    植物油インキ(植物油インキマーク)

    植物油や、植物油を原料とするエステルの含有量が基準値以上のものを、植物油インキと呼びます。植物油の例としては、大豆油、桐油、亜麻仁油、パーム油、ヤシ油、これらの植物油をリサイクルした油などが挙げられます。

    基準に準拠した場合に付与できる植物油インキマークは、印刷インキ工業連合会によって管理・運営されており、以下の流れで使用申請が可能です。なお、使用許諾契約に費用はかかりません。

    1. 登録申請の意思を、印刷インキ工業連合会へメールで送信
    2. 許諾契約書に必要事項を記入し、印刷インキ工業連合会へ郵送
    3. 登録番号とガイドライン、印刷データを受領

    ※参考:植物油インキ|印刷インキ工業連合会

    ライスインキ(ライスインキマーク)

    ライスインキは、米ぬか油を使ったインキです。国産の米ぬかを使えるため、輸送マイレージ(二酸化炭素排出量)を抑えられ、地産地消の活動にも貢献しやすいことが利点です。

    ライスインキにも、印刷物にマークを付与できる制度があり、顧客に環境対応をアピールできます。ライスインキのロゴマークは、以下の手順で、ライスインキ・コンソーシアムのサイトからダウンロードして利用可能です。

    1. ライスインキ使用規則への同意
    2. 使用者のユーザー登録
    3. ロゴマークのダウンロード

    ※参考:ロゴダウンロード|ライスインキ・コンソーシアム

    ボタニカルインキ(ボタニカルインキマーク)

    ボタニカルインキは、植物由来成分を10%以上含有しているインキで、サカタインクス社が商標を保持しています。このインキを使用した印刷物には、ボタニカルインキマークの付与が可能です。ボタニカルインキマークの使用申請の流れは、以下の通りです。

    1. サカタインクス社へ使用許諾申請書提出
    2. サカタインクス社による申請受理
    3. ボタニカルインキマークの電子データを受領

    ※参考:ボタニカルインキ|サカタインクス

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    まとめ

    バイオマスインキは、環境負荷が少ない特性を持つため、近年注目が集まっています。通常のインキをバイオマスインキに代替することで、二酸化炭素の排出量の低減や、持続可能な資源への切り替えにつながり、環境保全に貢献することが可能です。

    株式会社ユポ・コーポレーションは、合成紙「ユポ」の製造販売を行っています。高い機能性を備えながらも、環境負荷の少ないことが、合成紙「ユポ」の強みです。50年以上の生産実績があり、世界70か国以上で利用されています。さらに、二酸化炭素の排出量削減につながるバイオマス由来の樹脂原料を配合したユポグリーンシリーズの製造販売や、「ユポ」環境ロゴマークの運用を通じた、環境意識向上への取り組みも行っています。環境に配慮した製品をお求めの際は、ぜひお問合せ下さい。

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    ※「ユポ」、「ユポグリーン」は、株式会社ユポ・コーポレーションの登録商標です。

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    ユポは、ポリプロピレン樹脂と石灰石由来の炭酸カルシウムを主原料とする、紙とフィルムの特長を併せ持つ合成紙です。ユポは、ユポ・コーポレーションが特許を保有する技術が多数用いられた高機能素材であり、一般的な紙と違い、水や油に強く、破れにくいなどの利点が多くあるため、屋外のポスターや食品・日用品の容器ラベル、飲食店メニューなどの身の回りの製品で一般的な紙の代替品として様々なシーンで採用されています。また、ユポは一般的なPPフィルムと比べて、CO₂排出量や樹脂使用量が約45%少ない(※1)ため、環境負荷低減に貢献する素材として注目されています。加えて、ユポはリサイクル可能な素材であり、その一例として、選挙の投票用紙に使用されたユポを再生樹脂原料へ再利用する取り組み(※2)が行われています。ユポは長年愛され、合成紙市場において45年以上国内シェアNo.1、世界70カ国で使用される実績(※3)を誇っています。※1…詳細はこちら ※2…詳細はこちら ※3…詳細はこちら

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