ポリプロピレン(PP)・ポリプロピレンフィルムとは|特徴や長所・短所を解説
ポリプロピレンフィルムとは、ポリプロピレンを主原料とするフィルムです。この記事では、消費財メーカーの購買部門や印刷会社の担当者に向けて、ポリプロピレンとポリプロピレンフィルムの種類や特徴について解説するため、参考にしてください。
ポリプロピレン(PP)とは
ポリプロピレンとは、「汎用樹脂」と呼ばれるプラスチック素材の1つで、炭素と水素からなる重合体(ポリマー)です。ポリプロピレンを略して、PPとも呼ばれます。加工性が高いことから、身の回りの家庭用品や日用品、雑貨、包装材料など多くの用途に使用されているのが特徴です。
ポリプロピレン(PP)の始まり
ポリプロピレンの歴史は、1953年にドイツの化学者カール・チーグラーが、ポリエチレンを製造するために必要な、チーグラー触媒を発見したところから始まります。しかし、当初のチーグラー触媒は、ポリプロピレンの製造には適していませんでした。
その後、ジュリオ・ナッタとカール・レーンがチーグラー触媒を改良し、ポリプロピレンを製造するのに適した触媒の開発に成功しました。1957年に、イタリアで商業製造が開始され、現在では身の回りのさまざまな製品に活用されるほど、広く普及しました。日本でのプラスチックの種類別生産量は、ポリエチレンに次いでポリプロピレンが2位で、全体の約2割を占めています。
※参考:廃プラスチックのリサイクル等に関する国内及び国外の状況について|環境省
ポリプロピレン(PP)の特徴
ポリプロピレンは、熱を加えると流動するようになり、成形が容易な熱可塑性樹脂であることが特徴です。耐熱性・軽量性・耐薬品性に優れ、丈夫で傷つきにくい性質を持ちます。低コストで比較的安価に大量生産できるため、幅広い分野で活用されています。
ポリプロピレン(PP)が使われているもの
ポリプロピレンは、3Dプリンターの材料、自動車部品、医療機器、建築資材の材料などに使われています。工業用以外にも身近なものにも使われており、電子レンジ用の食品容器やおもちゃ、お菓子の包装、DVDなどのケース、文房具、スポーツ用品、ゴミ箱など、使用範囲の幅広さが特徴です。
また水を吸わないため繊維にすると速乾性を発揮する特徴を活かし、おむつやカーペット、マスク、下着、靴下などにも使用されます。
ポリエチレン(PE)との違い
ポリエチレンとは、プラスチックの1種です。ポリプロピレンとポリエチレンの共通点は、以下のとおりです。
・どちらも比較的安価で大量生産されている汎用樹脂の1種である
・炭素と水素からなるオレフィン重合体(オレフィン系ポリマー)である
・軽量で加工成形性がよく、防水性・耐薬品性に優れる
・接着性が乏しく印刷加工などに工夫する必要がある
相違点は、以下のとおりです。
・ポリプロピレンの方が軽い
・ポリプロピレンの方が硬く、ポリエチレンは柔らかい
・ポリプロピレンの方が耐熱性が高い
・ポリプロピレンの方が紫外線の影響を受けやすく、耐候性に劣る
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ポリプロピレンの5つの長所
ポリプロピレンには、重量が軽い、熱に強いといった長所があります。ここでは、5つの長所について解説します。
重量が軽い
ポリプロピレンは、比重が0.9と重量が軽いことが長所です。比重が1より軽いと、水に浮かぶほどの軽さがあります。軽さを活かして、軽量化目的で採用されることがあります。
熱に強い
熱で変形する熱可塑性樹脂のなかでは、耐熱温度が高く、熱に強いことも長所です。電子レンジに使える食品容器に活用できます。融点が165℃であるため、直火には使えません。
耐薬品性に優れている
酸・アルカリ、油などで変質しにくく、耐薬品性に優れている点も長所です。変形や劣化することがないため、薬品に触れる医療機器や科学機器に使用されています。
機械的強度が高い
機械的強度が高く、表面が硬く、耐摩耗性がある特性も持ち合わせています。プロピレン単独重合体は引張強度、圧縮強度などに優れ、プロピレン共重合体は耐衝撃強度などに優れます。
コストが低い
比較的安価に大量に生産できる素材の汎用樹脂であることから、低コストで大量生産する製品の素材として向いていることも魅力です。切削加工や曲げ加工などの加工がしやすく、射出成形や押出成形、ブロー成形といったさまざまな製法を用いて、幅広い分野で活用されています。
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ポリプロピレンの3つの短所
ポリプロピレンには、耐候性の低さや接着しにくさといった短所もあります。ここでは、3つの短所を解説します。
耐侯性が低い
直射日光などの紫外線に弱いという耐候性の低さは短所です。紫外線に長期間当たると、白く劣化したり、強度が低下して粉を吹いたり、ヒビ割れしたりするため、そのままでは屋外での使用は適しません。屋外で使用する製品には、添加剤を配合して耐候性を改善する方法が一般的です。
接着しにくい
ポリプロピレンは、水に溶けず、接着しにくい性質を持ちます。接着させるには、表面を粗く加工する、放電処理をするといった下処理が必要です。接着する際は、ポリプロピレンに対応した専用の接着剤を使用しましょう。また最近は、金属など異種材料との接着で実用的な強度を出せる各種の手法が開発されてきており、自動車用途などで普及が進んでいます。
印刷しにくい
そのままでは印刷が難しい素材です。印刷する場合も、接着と同様に、表面に放電処理などの下処理をすると印刷性を改善できます。インキの密着性が高まり、印刷しやすくなります。
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ポリプロピレンフィルムとは
ポリプロピレンフィルムとは、ポリプロピレンを主原料とするフィルムの総称です。主に小売する商品の包装に使われ、食品用や産業用を問わず、さまざまな用途で利用されます。透明性が高く、光沢が強く、印刷の発色がよく、耐熱性・防湿性に優れた素材です。
ポリプロピレンフィルムは、製法によって、OPP、CPP、IPPの3種類に分けられます。ここでは、3種類の特徴について解説します。
OPP
OPPとは、Oriented Polypropylene(延伸ポリプロピレン)の略称です。シート成膜後に、延伸して製造します。一方向のみに延伸する一軸延伸フィルムと、縦横方向に延伸する二軸延伸フィルムがあり、後者はBOPPとも呼ばれます。
OPPは透明度が高く、コシがあり、伸びにくいことが特徴です。防湿性、印刷性に優れることから、商品パッケージや食品用パッケージなどの包装用途で多く使われます。
CPP
CPPとは、Cast Polypropylene (無延伸ポリプロピレン)の略称で、シート成膜後に延伸をしないで製造するフィルムです。OPPと比べて透明度が低く、柔軟性があり、伸びがよいことが特徴です。熱を加えてフィルム同士を接着するヒートシール性が良好であり、ラミネート用途や各種の袋形状の製品によく使われます。
IPP
IPPとは、Inflation Polypropylene (インフレーション成形ポリプロピレン)の略称で、チューブ状に成形した後に、インフレーション成形して製造するフィルムです。袋状にする場合は、OPP・CPPより工程が少ないため低コストで製造できます。透明度は低くなりますが、袋用途によく使われます。
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まとめ
ポリプロピレンフィルムとは、汎用樹脂の1種であるポリプロピレンを原料にしたフィルムです。透明性が高く、光沢が強いため、食品用や産業用などのさまざまな包装に使われています。
株式会社ユポ・コーポレーションは、合成紙「ユポ」の製造販売を行っています。高い機能性を備えながらも、環境負荷の少ない点が、合成紙「ユポ」の強みです。国内No.1のシェア※を誇り、50年以上の実績があります。またユポは、セキュリティラベルの基材としても良く活用されています。転移タイプ・非転移タイプ・ぜい質タイプ、それぞれに向いた特性のラインナップがあることが特徴です。
※...合成紙市場における販売量(t)、(参考)矢野経済研究所「2022年版 特殊紙市場の展望と戦略」
「ユポ」は、脱プラスチックが難しい場合でも、プラスチック削減に貢献できる素材です。「ユポグリーン」シリーズは植物由来樹脂を配合しています。どちらも化石燃料由来のプラスチック使用量やCO₂排出量の削減につながる「環境負荷削減に貢献できる素材」としておすすめします。環境に配慮した素材をお求めの際は、ぜひお問い合わせください。
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※「ユポ」「ユポグリーン」は株式会社ユポ・コーポレーションの登録商標です。
この記事を書いた人株式会社ユポ・コーポレーション
地球と人を大切にしていきたい。
当社はこれからも環境保全や環境負荷の削減を使命として社会に貢献していきます。
