紙・合成紙のユポ・コーポレーション
更新 2025.06.04 公開 2023.09.01 コラム

プラスチックをリサイクルする3つの方法|リサイクルのメリット・デメリットも解説

プラスチックのリサイクルは、地球にやさしいだけでなく、企業の価値も高める活動です。企業は社会的な責任を果たすために、今後は環境に配慮したうえで事業を行うことが求められるでしょう。この記事では、環境汚染の問題からプラスチックをリサイクルする方法、メリット、デメリットなどを解説します。ぜひ参考にしてください。

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目次

    プラスチックとは

    プラスチックとは、「合成樹脂」とも呼ばれる高分子物質の1つです。高分子物質とは原子が多数結合したものです。おおよそ 分子量が約10,000以上のものが、高分子物質に該当します。高分子化合物のなかでも、成形できるものがプラスチックと呼ばれます。

    一般的にプラスチックは、石油からつくられる合成樹脂です。合成樹脂と似ている物質に天然樹脂がありますが、性質が異なります。天然樹脂に使われているのは、天然ゴムの原料となるゴムの木の樹液の他に、松脂、漆などです。

    プラスチックには、熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチックがあります。熱可塑性プラスチックは、熱や圧力をかけると変形します。ペットボトルやビニール袋などの成形品は、熱可塑性プラスチックです。

    プラスチックの種類

    プラスチックは、熱可塑性と熱硬化性に分かれます。ここでは、それぞれの特徴について解説します。

    熱可塑性プラスチック

    熱可塑性(ねつかそせい)プラスチックとは、塑性加工ができるものです。熱可塑性とは、熱を加えると柔らかくなる性質を指します。熱可塑性プラスチックは、加熱して溶かすことでリサイクルして使用できます。

    熱可塑性プラスチックのなかでも、日用品や工業製品など幅広く使われているのは「汎用プラスチック」です。一般的に、強度や耐熱性が高いものは「エンジニアリングプラスチック(エンプラ)」といいます。エンプラより強度や耐熱性が高いものは「スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)」と呼ばれます。

    熱硬化性プラスチック

    熱硬化性プラスチックとは、熱を加えて硬化するプラスチックです。熱を加えることによって、分子間の架橋が進みます。熱硬化性樹脂は、一度加熱すると高分子の網目構造を形成するため、柔らかくなりません。一般的な熱硬化性プラスチックを成形する際は、同プラスチックの原料を型に流し込み、熱を加えて硬化します。

    プラスチックをリサイクルする3つの方法

    プラスチックは、リサイクル時の処理の方法が異なります。ここでは、プラスチックをリサイクルする方法について解説します。

    サーマルリサイクル

    サーマルリサイクルとは、焼却による熱エネルギーを利用する方法です。廃 プラスチックの焼却の際に、熱エネルギーを回収してリサイクルを行います。廃プラスチックは発熱量が大きいため、発電したり温熱を利用したりすることが可能です。

    サーマルリサイクルは、不純物の分別が困難な場合でもリサイクルできるという特徴があります。ただし、焼却時に二酸化炭素や有害物質が発生する点はデメリットといえるでしょう。

    マテリアルリサイクル

    マテリアルリサイクルは、廃プラスチックからプラスチック製品の原料を製造し、加工するリサイクル方法です。マテリアルリサイクルは、廃プラスチックを燃焼させません。サーマルリサイクルより、有害物質やCO₂排出量を削減しやすい点がメリットです。

    ただし、マテリアルリサイクルは、廃プラスチックの分別や、廃プラスチック由来の異物の除去などが必要となる場合、分別や除去の手間が発生します。

    ケミカルリサイクル

    ケミカルリサイクルとは、化学的な処理によって廃プラスチックを分解する方法です。廃プラスチックを処理し、モノマーやガスを得て原料として利用します。ケミカルリサイクルの種類は、以下のとおりです。

    ・高炉原料化

    ・ガス化

    ・油化

    ・原料・モノマー化

    ここでは、ケミカルリサイクルの種類について解説します。

    高炉原料化

    高炉原料化技術は、廃プラスチックをコークスの代替として利用します。高炉原料化によって、化石燃料資源である原料炭の利用を抑えられるため、二酸化炭素の排出削減も可能です。

    ガス化

    ガス化は、廃プラスチックに熱を加えて分解したガスを、化学工業の原料にする方法です。ガス化してつくられた二酸化炭素は、ドライアイスや炭酸飲料などに使われます。水素はアンモニアの原料としてリサイクルが可能です。昭和電工は、ガス化ケミカルリサイクルプラントを長期にわたって安定的に運転しており、二酸化炭素をドライアイスや炭酸飲料として再利用しています。

    油化

    油化は、プラスチックに熱を加えて 油に戻す方法です。油化によって良質な油をつくるためには、塩化ビニルを取り除く工程が必要となります。油化 リサイクルにかかるコストは高額であるため、不採算事業になりやすい傾向にありました。しかし、近年の技術開発や資源高騰により、新たな手法の開発が進んでいます。

    原料・モノマー化

    原料・モノマー化は、最小単位の分子(モノマー)に分解してリサイクルする方法です。モノマーから再製品化することで、新品と同様のプラスチック製品をつくれます。実際に、 製品が存在しています。

    プラスチック廃棄による環境問題

    海洋プラスチック問題とは、廃棄されたプラスチックによる海の汚染のことです。廃棄されたプラスチック製品は、下水や河川を通じて海洋に運ばれると考えられています。プラスチックは海中で分解されにくいため、長期間にわたって残る可能性を考慮しなければなりません。

    プラスチックは、波や紫外線によって細かくなります。特に5mm以下のものは「マイクロプラスチック」と呼ばれており、海中の有害物質を吸着しやすい点が特徴です。細かくなったプラスチックは、魚の体内に取り込まれやすくなります。また、 があり、人体への影響が懸念されます。

    プラスチックをリサイクルするメリット

    地球環境や企業にとって、プラスチックのリサイクルは重要 です。ここでは、プラスチックをリサイクルするメリットを解説します。

    環境の保全につながる

    廃プラスチックのリサイクルは、ゴミの総量を減少させる効果が期待できます。また、ゴミ処理にかかる石油や石炭などの消費を抑えるためにも有効です。廃プラスチックの燃焼は、温室効果ガスである二酸化炭素を発生させます。リサイクルは二酸化炭素や有害物質の排出も抑えられるため、地球温暖化の防止や環境保全につなげることが可能です。

    資源を節約できる

    天然資源には限りがあります。リサイクルを行えば、天然資源の消費を節約することができます。例えば、ペットボトルのリサイクルを行えば、原料である石油を初めとする天然資源の新たな消費を抑えることが可能です。

    しかし、リサイクルの工程には、エネルギーや輸送にかかる燃料など、資源の消費が発生します。リサイクルを行う際は、コストや資源の消費についてトータルで考えていくことが大切です。

    企業の価値を高められる

    環境問題に取り組む企業は、社会的責任を果たす活動をしていると認められます。環境問題への取り組みは、企業の社会的責任である「CSR(Corporate Social Responsibility)」を構成する取り組みの1つであるためです。

    リサイクルのような環境に配慮する活動は、企業のイメージアップにつながります。企業のブランド力が向上し、投資の増加なども期待できるでしょう。

    プラスチックをリサイクルするデメリット

    プラスチックの製造には、資源やコストの問題があります。ここでは、プラスチックをリサイクルするデメリットを解説します。

    リサイクルのコストがかかる

    プラスチックリサイクルは、元の製品と同じレベルの品質にするために、多くの手間が必要です。

    マテリアルリサイクルにおいては、洗浄する工程が増える場合があります。たとえば、食品を梱包したプラスチックは汚れているため、原料プラスチックにする前に洗浄しなければなりません。廃プラスチックの多くは、さまざまな種類のプラスチックが混合している状態です。回収後に単体のプラスチックを取り出したい場合は分別が必要であり、手間やコストがかかります。

    プラスチックに異物が混入した場合、品質が劣化したり、成形機械が損傷したりするため注意が必要です。複合樹脂でつくられているものは、分別の作業が複雑であったり困難になったりする場合があります。

    消費者からの収集量を拡大し 原料の安定確保が必要になる

    プラスチックのリサイクルを促進するには、廃プラスチックの収集量を拡大し、安定的に確保する体制を構築しなければなりません。しかし、現在リサイクルできないものを処理する最終処分場はひっ迫しているため、対応策が必要です。また、再商品化事業者の生産性を向上させ、再生材の需要を拡大する課題もあります。

    まとめ

    プラスチックのリサイクルは、環境保全や企業のイメージアップなどに有効です。リサイクルには3つの方法があり、それぞれにメリットがあります。ただし、リサイクルのコストが高くなったり、原料の安定確保に課題がある場合もあります。プラスチックのリサイクルを行う際は、再製品化も考慮することが重要です。

    株式会社ユポ・コーポレーションは、合成紙「ユポ」の製造販売をしています。合成紙「ユポ」は、国内外で関連特許を多数取得している独自製法が特徴です。同事業は50年以上の歴史があり、国内シェア70%以上※を獲得しています。また、ユポの印刷端材などをマテリアルリサイクルする取組を進めています。環境へ配慮した製品や取り組みに興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。

    ※合成紙市場における販売量(t)、(参考)矢野経済研究所「2022年版 特殊紙市場の展望と戦略」

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    この記事を書いた人株式会社ユポ・コーポレーション

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    ユポは、ポリプロピレン樹脂と石灰石由来の炭酸カルシウムを主原料とする、紙とフィルムの特長を併せ持つ合成紙です。ユポは、ユポ・コーポレーションが特許を保有する技術が多数用いられた高機能素材であり、一般的な紙と違い、水や油に強く、破れにくいなどの利点が多くあるため、屋外のポスターや食品・日用品の容器ラベル、飲食店メニューなどの身の回りの製品で一般的な紙の代替品として様々なシーンで採用されています。また、ユポは一般的なPPフィルムと比べて、CO₂排出量や樹脂使用量が約45%少ない(※1)ため、環境負荷低減に貢献する素材として注目されています。加えて、ユポはリサイクル可能な素材であり、その一例として、選挙の投票用紙に使用されたユポを再生樹脂原料へ再利用する取り組み(※2)が行われています。ユポは長年愛され、合成紙市場において45年以上国内シェアNo.1、世界70カ国で使用される実績(※3)を誇っています。※1…詳細はこちら ※2…詳細はこちら ※3…詳細はこちら

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